2歳3頭の結果はまずまずに終わったが、レッドミラージュのダート適正は見るものがあり、今後もダート路線に向かう事で調教師との思惑が一致。
距離適正はどれだけ持つかは不明だが、今のところはマイル前後の距離をメインとして使う事になるだろう。
父スキャンも母エレメントアローもマイル前後で活躍した馬なので、距離が伸びるほど脚が残らない可能性もありえる。
アイシクルランスは4着に敗れたが、勝ち馬のイシノサンデーとの差は0.4秒差だった事を考えると、下積みを行えば近いうちに勝利する可能性が。
しばらくは新馬戦と同じ様に2000m前後のレースを使っていく事になる可能性が高い。
りんどう賞に出走したファントムロードは伸びずにピタリと止まってしまい、掲示板には載ったが今後は厳しく見ていかなければならない。
イチゴサンデーの半弟なので、早いうちから結果を出さなければグングンと評価は減少されてしまうのだから。
少なくとも1勝も出来ないで引退していった名馬の弟とかに比べると、1勝しただけでもまだマシである。
因みにKanonファーム生産馬で重賞勝ち馬の下が続けて重賞を制したのはストームブレイカーとイチゴサンデーのみ。
これだけでも十分な成果を出しており、そういう点ではKanonファームの生産馬の中では成功した分類になるだろう。
さすがにビワハヤヒデとナリタブライアンの兄弟の様な成功は望めないが。
「んー、今年の2歳馬は質が低いかもしれないですね」
「そりゃあ、去年はイチゴサンデーが成功したんだから、今年と比べる事自体が間違っていると思うぞ」
秋子は秋名にその事を指摘されると小さく苦笑いを漏らしてしまい、恥ずかしさから頬が僅かに赤く染まってしまった。
それを言われるまで秋子は質が低いと思っていた様だが、売却したルビーロウの成績も含めて7戦1勝なら悪くない状態。
下手すれば未勝利のまま生涯を終える馬も居る中で1勝している事は十分なのだから。
今週の競馬開催は京都で牝馬3冠最終戦の秋華賞が行われる。
桜花賞を勝利したワンダーパヒュームとNHKマイルカップ、アメリカンオークスを制したイチゴサンデーとの一騎打ちだと言う見解が広まっている。
オークスを制した勢いで海外遠征を行ったダンスパートナーは秋華賞ではなく、牡馬3冠目の菊花賞に駒を進め、最後の1冠を争う3頭の図は実現しない事に。
それでも非常に盛り上がっている状況で、その理由はアメリカンオークスを制したイチゴサンデーが一目見ようとした観客が多いと言う訳である。
そのため、イチゴサンデーのオッズは1.1倍と海外G�気鮴�した馬らしく、圧倒的な売れ行きであった。
ワンダーパヒュームも人気はあるのだが、イチゴサンデーに匹敵するほどではなく、2番人気ながら5.8倍と差が付きすぎている。
秋華賞は凱旋レースとなるので、これだけの人気になるのは想像出来たが、ここまで人気になってしまうと逆に心配する点も浮かんできてしまう。
ローテーションはステップレースのローズS、紫苑SとクイーンSのどれも使わずにここに出走している点。
そのため、アメリカンオークスから3ヶ月振りの出走となるので、他の馬に比べると臨戦課程が厳しいと言える。
「ローズSが使えれば、良かったんですけどね」
「ローズSを使えたとしても、秋華賞で体調はガタ落ちだっただろうし、その点を考えると使わなくて良かったと思うが」
秋子と秋名は他馬主に会釈を交わしながら馬主席で会話を論じているが、ひっきりなしに訪ねに来る人が多く、なかなか会話が捗らない。
イチゴサンデーがアメリカンオークス勝利したための祝言なので、無視する訳にもいかなかった。
「これが国際G�気鮠〕�した結果なんでしょうね……初めて出会った人も話してきますし」
「有名税だと思って諦めた方が良いんじゃないか? すっかりと名声が高まった様だしな」
秋名は肩を落としてしまった秋子をニヤニヤと眺めつつ、ポンポンと当の本人の肩を叩く。
一応、秋名も有名にはなったのだが、秋子に比べると被害は少ないので非常に達観した態度。
「まぁ、これで大手牧場から認識されるようになっただろうし、多くのパイプが繋がったのは良い事だろう」
「そうなんですけどね。これで逆に重賞を勝ち続けないとまぐれとか言われそうですからプレッシャーが掛かりますよ」
秋子は心底げんなりとした表情だが、気持ちを持ち直してはいるようで口調はいつもの様にハッキリとしている。
そして、秋華賞のパドック時間になり、ここに駒を進めた18頭の精鋭が地下道から姿を現す。
本日は1枠1番からのスタートとなるイチゴサンデーが真っ先に姿を現し、いつもの様に厩務員を引っ張る勢いで闊歩し始めた。
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この話で出た簡潔競馬用語
特になし。