最強馬がG�汽譟璽垢傍△辰討�たと実感させるレース振りであった。
天皇賞・春は前年3冠馬ミスターシービーを完全に蹴散らして勝利。
ミスターシービーのジョッキーは勝てない事を悟っていたのか、いつもの追い込みとは違い、3コーナーの下りから仕掛けた。
その走りでもシンボリルドルフには勝てる事は無かったが、3冠馬の称号を捨てた挑戦者の走りだったと記する。
そして、春のグランプリ――宝塚記念はメンバーが手薄な事があって単勝1.1倍と圧倒的人気であった。
このレースを圧勝したら、凱旋門賞に出走すると馬主が公言した通り、実に圧巻的なレース振りは他馬の意気を消沈させた。
これで凱旋門賞に出走することが決まり、観客は大歓声でシンボリルドルフのコールを叫ぶ。
ただ、このレースでは4着に入着したステートジャガーが薬物禁止のカフェイン検出され、競馬協会に激震が走った。
そして、ステートジャガーは4着の勲章を剥奪されてしまった。
記者会見ではシンボリルドルフのオーナーが、これで海外が近づきました、と言いカメラのフラッシュが多数焚かれる。
まだ、遠征はしていないのにマスコミが騒ぐのはどうかと思いながら、秋子は手を顎に乗せながらTVを眺めていた。
「隆道さんが言っていた通りですね」
「そうなのか?」
シンボリルドルフが海外遠征するのは競馬関係者の中では噂で広まっていたが、実際に行くと決まったのはこの結果だから。
「オーナーがロンシャン競馬場を視察したみたいですよ」
ふーん、と秋名は既に興味なさげになってスポーツ新聞の競馬欄を眺めている。
大方、馬券の検討を行っているのだろうと秋子は思ったが、口には出さないでおく。
時折、万馬券を当てて牧場の経費として渡してくれるのだから。
どういう買い方をしているかは不明だが、かなりの勝率を誇るらしい。
不明というより教えてもらえない方が正しく、秋名曰く、教えたら当らないそうだが。
「秋子はルドルフの応援するのか?」
唐突に秋名が聞いてくるのでどうでしょう、とお茶を濁した答え方をする秋子。
特に祐馬が死亡した時のダービー勝ち馬なのだから、海外遠征すると言われて応援するのは複雑だろう。
まぁ、と秋名は口を開いてからポリポリと、こめかみ付近を掻きながら続きを言う。
「直前の体調しだいでは応援しても良いんでは?」
秋子は何も言わないで、暫くは競馬番組が終わったTV画面を眺めているだけであった。
秋名は秋子の気持ちが痛いほど分かるので、何も言わないでリビングから出て行く。
その両手には、煙草と灰皿を持って。
「わたしだって……普通に応援したいですよ」
悲痛な声でぼやくが、この声は誰にも届かなかった。
そして、2日後にシンボリルドルフの遠征プランがTVで発表された。
帯同馬に今年のダービー馬シリウスシンボリを連れて行くと、壮大なプランを堂々と発表するオーナー。
シリウスシンボリに関しては、今年のダービーを勝った強豪馬だがある問題があった。
それはオーナーと厩舎のゴタゴタに巻き込まれた馬だと言える。
最初は所属していた厩舎にいたが、あるレースで失格になった事で火種が浮き彫りになった。
そして、転厩して1勝を上げたが、すると次はそこの厩舎が反発をして来たのだ。
元の厩舎に戻せ、と調教師が反発したので、渋々とオーナーは厩舎を元に戻すが既に亀裂は深いものになっていた。
そして、ゴタゴタしたままダービーを制覇したが事情を知っている者からすれば、冷笑な帯同馬と分かる。
つまり、シリウスシンボリは事情がある帯同馬になった訳だ。
次にローテーションが発表。
シリウスシンボリはキングジョージ�裟ぁ�クイーンエリザベスダイヤモンドSに出走する。
そのレースは日本で言うと宝塚記念なのだが、出走馬のレベルは全然違う物だが。
そして、本日の主役のシンボリルドルフは凱旋門賞の前にトライアルを使うそうだが体調次第で決めるらしい。
TVでの発表が終わると、コースはどういう感じだったと秋名は聞いてくる。
ロンシャンとニューマーケットのコースは全然違うのだが、秋名はしつこく聞いてくるので溜息を吐きながら言う。
「芝も長いですし、タフなコースだと思いますよ」
「それじゃあ、ルドルフでも厳しいだろうな」
実際にはコースを歩く事は出来なかったが、くるぶし程まである芝の長さ、デコボコしたコースになっている。
欧州の競馬場は元からあった自然のコースに少し手を加えただけなので、日本と違い人工的なコースでは無い。
そういうコースに日本最強馬――シンボリルドルフが地位と名誉の為に挑むのであった。
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この話で出た簡潔競馬用語
注1:キングジョージ�裟ぁ�クイーンエリザベスダイヤモンドS……夏の欧州最大レースであり距離2400m。