――1995年度上半期のG�気�全て終了した。

     今年の春は1つの話題が掻っ攫っており、去年のナリタブライアンが話題に上がった時のようにインパクトがあるものだった。

     それは競走馬ではなく、種牡馬――サンデーサイレンスが一人勝ちの様子を 醸し出している。

     まだ産駒は3歳馬しか居ないが、今年の春だけで4つのG�機宗住�月賞、NHKマイルカップ、オークス、日本ダービーを制しているのだから。

     クラシックの中で唯一、勝利出来なかった桜花賞はそれでも2着、3着と4着がサンデーサイレンス産駒だったが。

     これは去年のブライアンズタイムが3つのG�気鮴�した記録をあっさりと塗り替えてしまった事になる。

     因みにオークスを制したダンスパートナーは秋の目標は秋華賞ではなく、フランスで開催されるヴェルメイユ賞――フランス牝馬クラシック3冠目を目指す。

     そして、イチゴサンデーがダンスパートナーの代わりにアメリカンオークスに選考された為の代理となるが、シッカリと走って欲しい所。

     閑話休題。

     3歳クラシック路線はサンデーサイレンス産駒が桜花賞以外を制したが、古馬路線はやや混戦気味の結果になっていた。

     天皇賞・春は去年の3冠馬であるナリタブライアンが勝利し、秋は凱旋門賞を目指す為に宝塚記念は早々と回避し、欧州に長期滞在して狙う事に。

     阪神大賞典を1.1秒差で圧勝したように、突き放して勝利すると思われていたが、2年前の天皇賞・春を制したライスシャワーとの叩き合いを凌ぐ。

     それでも3着以下の馬には5馬身近く突き放していたので、ライスシャワーのステイヤーぶりが発揮されたと言えるだろう。

     ライスシャワーは宝塚記念前に軽度の骨折を発症してしまったので現役を引退し、数少ないリアルシャダイの血を後継に伝える為に種牡馬入り。

     今の時代にステイヤーが需要あるかと言われれば、それほど期待出来ない可能性が高いが、1%でも可能性があるなら賭ける方が良い。

     その宝塚記念は混戦気味と謳われていたが、意外と白熱した結果に。

     勝利した馬はダンツシアトル。

     父はアメリカ3冠を無配で制した名馬シアトルスルーであり、2着のタイキブリザードも同じ父である。

     続いては短距離路線を。

     去年まで短距離路線を支えた絶対王者――サクラバクシンオーとノースフライトが引退した事ですっかりと空洞化してしまった。

     毎年ながら、短距離路線は優秀な馬ほど引退が早いので次世代を受け継ぐ馬の存在感が皆無に近い。

     まず、高松宮記念はビコーペガサスが勝利し、去年スプリンターズSで2着になった実績がここで結びついた感じだろう。

     東京芝1600mで開催される安田記念はドバイ王族の所有馬であるハートレイクがサクラチトセオーを鼻差凌いで勝利。

     この鼻差が今の日本と海外の差を如実に現しており、現状では太刀打ちは出来るが、あっさりと勝利するのは不可能に近いだろう。

     だが、この差を埋める事は何年掛かっても出来ないとは思えない。

     間違い無く、差は少しずつ縮まっているので後は海外競馬に遠征してノウハウを掴めば、ジャパンカップの様に徐々に日本馬が勝利するだろう。

     最後にダート路線のフェブラリーSを。

     去年に続きホクトベガが連覇を達成したが、2着に入ったライブリマウントも先が楽しみな1頭である。

     去年、東京大賞典を制してから一転して今年の川崎記念も勝利するなど、身が入っている状態なのだから。

     間違いなくタレントの豊富さは短距離路線よりもダート路線の方が上だろう。

     と、今年の上半期の総括が競馬雑誌に書かれており、特に取り上げられているのがサンデーサイレンス産駒の種牡馬成績に関する事だった。

 

 

     季節は7月――夏の日差しが照らす時期になり、競馬はローカル競馬がメインとして開催される時でもある。

     Kanonファームの2歳馬は3頭が今年デビューする事になっている。

     父アレミロードでファントム産駒のファントムロード。

     エレメントアローの初年度産駒で父スキャンの血を引くレッドミラージュ。

     こちらもエレメントアロー産駒と同じく、ルリイロノホウセキ産駒で父はクリスタルグリッターズのアイシクルランス。

     この中で一番評価が良いのは、イチゴサンデーの半弟となるファントムロードで、育成牧場の評価もそれなりにある状況。

 

    「やはり、G�鞠呂糧渉錣噺世�事で評価は高いな」
    「それはそうでしょう。走ってもいない2歳馬をあっさりと評価する為の物指しになるんですから」

 

     そうだな、と秋名は秋子が言う事を同意しており、ウインドバレーの半妹――ブルーフォーチュンが同じような境遇だったのを思い出したようだ。

 

    「ブルーフォーチュンは半兄のウインドバレー超えるのは無理だったが、ファントムロードはどうなるかな?」

 

     競馬雑誌を読んでいた名雪はポツリと二人の会話に割り込んで、超える壁は高いだろうなー、と自身とファントムロードを重ねたような言い回しで呟いた。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     注1:ダンツシアトル……宝塚記念の跡に屈腱炎を発症し、引退している。
     注2:ビコーペガサス……実際はG�犠,舛鰐気�、2着が精一杯だった。
     注3:ハートレイク……G�祇�覇は安田記念が最初であった。