クイーンCの結果――敗因はレース直前に雨足が強くなった事と最内からのスタートでスタミナを消耗した事が原因、と騎手が敗因を簡単に述べる。

     泥を被って嫌がる素振りを見せなかったのは収穫の1つで、思ったよりもこの結果は善戦しているだろう。

     1着と2着との差もあまり無くタイムも0.2秒差と、最内に入った事でのスタミナを多く消費している事を考えると、勝ち馬に匹敵する内容。

     “IF”になるが雨足が強くならないで馬場が急激に悪化しない状況だったら、勝利していてもおかしくない結果になっていたに違いない。

     ただ、圧倒的人気――単勝1.5倍だったので、この敗戦は東京競馬場を悲痛な叫び声で包み込んでしまった事を記しておく。

 

 

     そして、この結果にはKanonファームのスタッフを含めた全員が納得しており、次走に出走予定の桜花賞に期待が持てる結果だと盛り上がっている。

     元からクイーンCから桜花賞を目指す算段だったので、この雨のお陰で短期休養を宛がう理由が明確になり、およそ2週間だけの放牧措置がとられる。

     この後に3月に開催される桜花賞トライアルのチューリップ賞を使って、桜花賞に出走したとしても疲労困憊となって結果を残せない可能性が。

 

    「正直に言うと掲示板も無いと思っていたけど、意外と走ってくれて良かったよ」
    「そうだな。俺もプライムステージに進路を塞がれた時点で伸びないと思ったからな……評価を改めないと」

 

     プライムステージの騎手はベテランなので、イチゴサンデー抜け出そうとした瞬間に馬体をガッチリと寄せた腕は賞賛される。

     一瞬だけだったが横に寄せられた事で出るタイミングが遅れて、最後に半馬身の出てしまったのは結果の通り。

     だが、ちょっと早く仕掛けてもスタミナは持たなかったと言う見解があるので、騎手の判断は間違っていない。

     次走の桜花賞も同騎手が継続して騎乗する事が確定しており、引き継いで結果を出す事が求められている。

 

    「騎手は問題無く騎乗していましたし、あの馬場状態で3着に持って来られたなら替える必要はありませんからね」
    「私の評価だと、ちょっと外に出すのが遅かったのが減点対象だったが、それ以外は問題なかったな」

 

     秋名の評価は一部のみ辛辣だが、それ以外は概ね問題ない様で秋子もその点に同意しているのか軽く頷いている。

     イチゴサンデーの騎手はベテランだが1流クラスでは無く、G�犠〕�はしているが低人気の時に穴を開けての勝利だったので、評価は今一つ。

     だが、実績の裏づけとして関西リーディングトップ10に入っている事が何度もあるので腕があるのは確か。

     イチゴサンデーで結果を残せれば、今後も秋子が騎乗以来するくらいの縁は出来ると思われるが、そこは騎手の腕次第であった。

 

 

     さて、今週の競馬にはブルーフォーチュンが復帰するのだが、近走の結果が良くないので先週のクイーンCと比較にならない程の低人気。

     その近5走の結果は1着→6着→9着→12着→10着とドンドン着順が悪化していっている。

     5走前に勝利した時は8連敗から返り咲いての勝利だったが、そろそろ引退が近づいているのが現状だろう。

 

    「今回の結果次第では引退も考えた方が良くないか?」
    「そうですね……案として考えておきます。これ以上は成績が良化しそうも無いですし」

 

     秋子は名雪と祐一の方を向いて、意思を確認すると秋子と秋名と同じ考えの様で深く頷いて口を開く。

 

    「流石にこれ以上の活躍は期待出来ないと思う」
    「名雪と同意見です。繁殖に上げて仔馬に期待した方が良いと思います」

 

     と、それぞれの意見は引退させる事で一致しており、競走成績の方はまったく期待していない事が窺える。

     そして、ブルーフォーチュンが出走するレースは兄のウインドバレーを見習って初のダートに駒を進める。

     距離は中山ダート1800mでレース名は内外タイムス杯――1600万下特別となっている。

     流石に5歳牝馬での初ダートは評価され難い様で、競馬新聞には印が1つも押されていない状況で単勝も100倍台。

     そして、レースが開始され、ブルーフォーチュンはいつもの様に逃げようとするが初のダート競馬になるので、行きっぷりが良くなく足掻いている。

     そのため、スタートした時点で中団――9番手に位置してしまい、ダート適正は殆ど無い事が分かってしまう。

     それでもレースは止まる事無く進んでおり、ブルーフォーチュンを含めて殆どの馬が勝利を目指して駆けている。

     そして、あっという間に1500m近くの距離を駆けて直線に入る。

     ブルーフォーチュンは粘って中団に位置していたが、直線に入る頃には少しずつ位置取りが下がっていき、最終コーナーの時点で12番手に。

     流石にこの絶望的な位置取りから全頭を交わすなどの奇跡は起きる訳も無く、ブルーフォーチュンはズルズルと更に順位を下げて最下位で終わった。

 

 

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     特になし。