京王杯スプリングCの結果はスキーパラダイスが勝利し、その後も海外馬が4着まで独占してしまい、レベルの差を如実に現す結果に。
5着に辛うじて唯一の日本G�鞠呂任△襯曠�トベガが入着したが、上位4頭との力差は覆すのが難しいと思われてしまう。
1着のスキーパラダイスから5着のホクトベガ差は凡そ3馬身程だったが、次走はG�祇錣任△覦妥諜�念に出走するので、今回は7割ぐらいの仕上がり。
ストームブレイカーは全然相手にならず、6番人気ながら10着と久しぶりの大敗を喫してしまった。
騎手曰く、道中は良く走っていたが直線に入った途端に脚運びが悪くなったようで、首を傾げてしまっていた。
ペースは付いて行けていたが、惨敗したのは今回の重賞レベルが高かった事を示しており、ストームブレイカーはまだその場に立てる程の実力では無かった。
或いは苦手な距離――1400m戦だったため、馬が戸惑った可能性もあり、更に体調が良い仕上がりでは無かった可能性も秘めている。
簡単に言えば、原因はいくつもあるがこれと言う原因は突き止められないだろう。
馬と人が話せない限り、目に分かる原因以外は闇の中に埋もれてしまうのだから。
「取りあえず、故障などは無かったのでホッとしましたよ」
「故障されたら、引退も考えなきゃならない年齢だったしな……ひとまずは無事で何よりだ」
と、ストームブレイカーは故障発生した訳でもなく、ただ単に垂れただけなので現在は調教を行っており、当初の目標通りに安田記念に向けて調整中。
得意な1600m戦――6戦4勝と勝率が6割台なので、密かに期待出来ると言えるだろう。
東京コースの成績は7戦2勝2着1回と良くも悪くも無い成績が特徴的で、その2着は去年の天皇賞・秋が内約に含まれている。
「得意な1600m戦で、得意か苦手のどっちつかずの東京コースだし、期待は出来ると良いんだがな」
「どうでしょうかね? メンバーも強力ですし、それなりに走って夏のローカルに向けて良い所を見せてくれれば十分ですね」
秋子は達観した様子になっており、前走の敗北がよっぽど堪えた様で言葉に覇気は無かった。
それよりも、と秋子は一言口を開いてから、今年の牧場成績が今一つ去年よりも落ち込んでいる事を告げる。
秋子が示した指の数は人差し指、中指、薬指の3本で、つまり今年はまだ3勝しかしていない事が人目で分かる。
その代わりに重賞での入着数が去年よりも増加しており、勝利した重賞は京都金杯のみでも、皐月賞2着などの実績があるので走っていない事は無い。
けれど、21戦して3勝だけでは牧場経営が傾きかねない状況なので、秋子の本音はもうちょっと勝利して欲しい所だろう。
最近、出走した馬の中では栗東S――京都ダート1200mのOP戦でヤマトノミオが惜しくも2着に敗れたのが最高成績。
「今年は2着の方が多いからな……不調って事は無いだろうが、勝ちが遅いな」
「去年は5月一杯までに7勝もしていたんですから、残りの4勝は何処に消えたんでしょうね?」
秋子は小さく首を傾げてから、苦笑い混じりに大きく溜息を吐いてしまった。
ダービー開催まで、残り3週間を切っており各陣営は緻密にダービーの舞台に向けて調整を徐々に強めに切り替えていく。
既に牧場や美浦トレーニングセンター、栗東トレーニングセンターではダービーの話題で盛り上がっており、刻々とダービーが近づいているのが実感。
ただ、持ち切りの話の中ではやはりと言うべきか、ナリタブライアンの話題が最も多く、調教タイムから飼い葉の内容まで話題になってしまう。
競馬記者も早い内から今年のダービー情報を集めるために、調教タイムを計ったり、関係者から話を窺っていたりする。
それくらい、この時期――日本ダービー前は東西のトレーニングセンターは盛り上がっており、1週間前になると更に加熱して大量の人物が入り乱れる。
現在は主に競馬新聞の記者が最も多く、TV局など競馬とはどちらかと言えば、縁が無いメディアは殆どが取材に来ていない。
そのため、一般ファンからするとダービーの情報が少しずつ分かる競馬新聞の存在は非常にありがたいところだろう。
「タイフーンの調教は……坂路コースでラスト1ハロンが13.5秒と」
「徐々に仕上がってきているな。最終追い切りではラスト1ハロンが11秒台出れば完璧だろう」
そうですね、と秋名の言葉に秋子は同意してから、もう一度競馬新聞の紙面を隅々まで読み尽くす。
他馬の情報も気になるところだが、ダービーとなればそんな余裕は殆ど無くて、自分の馬がどのように調整されて臨戦態勢で挑むかが大事なのだから。
日本ダービー開催まで残り20日。
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この話で出た簡潔競馬用語
特になし。