オルタナティブ……霜月ステークスで初ダートとなるも、やはり血統と走りがダート向きではなかった為、12頭中12着と見せ場無しの惨敗。

     ソニックブーム……得意の1800m戦だったが、これまで東京は3戦3敗と結果を残していないので、相性が悪いのか10着に敗れている。

     東京のレースで唯一見所があったのは、新馬戦に出走したミスターシルフィのみで、3歳馬2頭は今ひとつ評価し難い結果であった。

     初ダートと苦手と思われる東京コースでの出走なので、次走次第では放牧に出して、来期に備える事も視野に入れる必要が出てくるだろう。

 

    「オルタナティブはともかく、ソニックブームは今回の結果で東京のような高速馬場は合っていないのがハッキリと分かったな」
    「そうですね。本質的にはパワーを要する中山とかの方が向いている筈ですが、まだ中山は1戦のみで、その時は4着でしたね」
    「体調次第だが、私から調教師にソニックブームを来月の中山で使う事も進言してみるか」

 

     次走のプランだけは一応立ったが、体調次第なので、1月辺りの出走もあり得るだろう。

     ソニックブームはこれが秋2戦目のレースだったので、順調にいけば問題無く出走出来るという目論見が名雪の中にもある。

 

    「オルタナティブの方はダートだから仕方ないとして、全然見所が無かったのはちょっと残念ですね」
    「スタートからノメっていたからな。後方のままになっても仕方ない」

 

     オルタナティブは完全にダートが合わないという結果だったので、この後は芝路線のみに登録するようになるだろう。

     今回は調教師の登録ミス――ダブル登録して、抽選の突破率が高い方が外れ、突破率が低い方はあっさりと抽選を抜けてしまったのだから。

     両レースとも芝にしておけば、この様な事態にならなかった。

 

    「これ以上、オルタナティブのローテーションに関して文句をいっても意味が無いので、止めておこう。それよりもミスターシルフィの方が大事だな」

 

     名雪はこれ以上、批難しても無意味だと分かっているので、サッと話題を切り替えて、デビューとなったミスターシルフィの結果を見直す。

     逃げ切りとはならなかったがゴール直前まで粘っていたので、一介の短距離馬ではなく、マイル前後までは持ちそうな印象を見せ付けた。

     デビュー戦としては妥当な結果で、3歳の春頃までには確実に勝ち上がってもおかしくないだろう。

     今回は逃げた格好になったが、今後は先行などを試して一介の逃げ馬では無いと印象付けなくてはならない。

 

    「今回の走りだと、今の所は1000mや1200mだと少々厳しい所があるかもしれないな」
    「下手すると1400m専用になりそうですね。もう少しスピード面が成長すれば、使えなくも無さそうですが」
    「そこまで距離適正が極端だと、惨敗覚悟で使ってレース勘を鍛えるしかないな」

 

     どの馬も現実的に得意距離は、こちらで判定しかしようが無いので、距離適正外のレースを使って、適正を計るしかない。

     まぁ、適正レースを使っても負ける時はあっさりと負けるのだが。

 

    「さて、負けた3頭の話はこれ位にしておいて、マイルチャンピオンシップに出走するラストフローズンの方を見ないとな」

 

     名雪はそういって、3頭の今後に関する話題を打ち切って、これから馬場入場となるマイルチャンピオンシップの方に視線を移した。

 

 

     ラストフローズンの本馬場入場は非常に落ち着いた形で入場しており、返し馬も悪くない走りを披露している。

     既に1番人気は確定しているが、動きの良さを披露したので、オッズは更に動きだして、最終的には1.9倍に。

 

    「ラストフローズンの返し馬ですが、力強さより余裕が見られる走りで、これならば道中は入れ込む事が無く、走れそうですよ」

 

     全頭の返し馬が終わり、最後に解説者による各馬の評価が行われており、ラストフローズンは解説者から見ても高評価の走りだったようだ。

     気負いも無く、悠然と返し馬を行う様は余裕が現れで、このメンバーでは1番人気になるのも納得だろう。

     そして、刻々とマイルチャンピオンシップの発走時間が近づいてくる。

 

 

     そして、結果は完勝と言える程の実力の差を見せ付けて、ラストフローズンがマイルチャンピオンシップを制覇。

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     レース振りは道中5〜7番手辺りの先行寄りの中団から、最終コーナーでは内からスルスルと抜け出して、直線に入ると突き放す一方。

     2着のスーパーホーネットに3馬身差を付けての勝利は、父オグリキャップの接戦と違いが良く分かる結果。

     正に王道の走りで完勝なので、隙が無いレース巧者振りは来年も期待出来るだろう。

     父オグリキャップに続く2代制覇となり、競馬場は大歓声に包まれた状態で勝者であるラストフローズンを称えている。

     まだ実績面と人気面ではオグリキャップに及ばないかも知れないが、既に追いつきそうなのは間違い無いだろう。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     特に無し。