ラストリグレットが新馬戦を圧勝。
相手が揃っていない――来週の京都芝1800mで開催される新馬想定の方がメンバーは揃っていると評判だが、まずは1勝が大事。
これによって余裕のあるローテーションが組めるという事なので、クラシックに向けての逆算がし易くなり、余計にレースを組む必要がなくなる。
基本的に1着同着では無い限り1頭以外は全て負けるのだから、クラシックを目指すなら、秋にデビューする新馬戦は1戦で勝ち上がりたい所。
この後のローテーションは未定だが、少なくとも年末――12月27日に発走となるラジオNIKKEI杯2歳ステークスが最大目標だろう。
このG�靴和燭�の活躍馬を輩出しており、クラシックに繋がりやすいので、出世レースとして位置づけられている。
逆にいえば、クラシックを目指す有力馬がぶつかるので、実力を見定める為に朝日杯フューチュリティステークスよりも優先させる事が多い。
「水瀬社長おめでとうございます。生で見られなかったので、何とも言えませんが、来年の牡馬クラシックで賑わしてくれそうな馬ですね」
「ありがとう。とりあえずは一安心って所だ。後は怪我無く、クラシックに向かってくれれば良いんだが、そこは調教師の手腕次第って所だな」
ラストリグレットの厩舎は美浦では上位に入る位で、少なくとも腕前に関しては信頼出来る方だろう。
名雪が調教師の手腕次第と強調した訳は自分の馬と調教師を信頼しているからこそ出た発言であり、貶める様な意図は一切無い。
「この後の秋華賞も勝てれば、今日は最高なんだがな……マークされる立場は辛いな」
現状――午前中の時点で、オッズは2.5倍と1番人気を示す通りの人気で、2番人気のエフティマイアが4.6倍と2倍近いオッズ差なのだから。
「いやぁ、サンユベールに勝てる馬は少ないんじゃないですか? ここで結果を残すようならばエリザベス女王杯に向かうようですし」
他馬主が言うとおり、サンユベールは結果次第でエリザベス女王杯に向かう予定で、代わりにトロピカルサンデーが天皇賞・秋に向かう。
なので、ここで大敗するようならば、トロピカルサンデーのローテーションを変更させる必要が出てくるので、下手すると今後がガラリと変わってしまう。
牝馬路線ならばトロピカルサンデーの実力と近走の結果から見ると、まだやれる余地は残しているが、今年で引退なので牡馬路線が当初の目標。
そこで当初の予定――天皇賞・秋からエリザベス女王杯となると、2週間も空いてしまうので、体調維持が出来ない可能性も。
「負ける訳にはいかないんだが、競馬に絶対という事はあり得ないからどうなるかはは分からない」
「それもそうですね。ならば、うちの馬にもチャンスがあるかもしれませんね」
他馬主はそう言うが殆ど人気が無いので、掲示板に載れば上々な所がある。
馬主である名雪としては警戒しようが無い――騎手の判断に委ねているので、こっちから口出ししても意味が無いだろう。
マークされる立場でマークする立場ではないので、実力を出し切って勝利する様に言うのが正しい。
「では、お互いに良い結果を見られると良いですね」
そういって、名雪と会話していた馬主は他の馬主に呼ばれたのか、この場から立ち去っていった。
秋華賞の発走時間が近づき、馬主席の元にも観客席のざわめきが普段よりも高く響いており、G�義阿諒薫狼い鮠�し出している。
既にゲート前に各馬が集合しており、どの騎手も作戦も決まって、腹括っている事だろう。
騎手の緊張が手綱を通して騎乗馬に伝わらない様にする必要があり、ベテランほど上手く導いている。
今の所、入れ込んでいる馬は皆無で特にG�杵�線で凌ぎあってきた馬には観客のざわめきは慣れたもの。
そして、スターターが旗を振るうと京都競馬場のG�祇険藾佞�鳴り響き、観客もそれに合わせて手拍子を行う。
奇数枠から枠入りが順調に行われ、サンユベールは5枠10番と偶数枠なので、後入れとなる。
数秒も掛からずに枠入れが順次に終わっていき、最後に8枠16番のメイショウベルーガが枠内に収まって、スタートが切られる。
サンユベールは絶好とは言い難いが、普通のスタートを切って、7〜10番手辺りの中団よりもやや後ろからのレースとなってしまう。
豪快に差し切る脚を持つサンユベールだが、先頭集団は2頭か3頭が争って逃げており、1コーナーを回る辺りで逃げ馬と3番手以降が明確に別れる。
やや縦長になったが、中団以降はごちゃついた展開になっており、こうなると如何に位置取りをキープして、外から被せられないようにする必要が。
サンユベールの騎手は馬場の中心寄りを選んでおり、内には寄れず、外からは圧力が掛かっている状態で、仕掛けにくい場面と言える。
まだ半分――既に800mを過ぎた所だが、速いペースで進んでおり、現状では動き始める馬は居ない。
しかし、1000mを過ぎた辺りで、後方に位置していた馬が騎手の判断で徐々に差を詰めてきた。
いくら前が早いといっても、後方に置かれたままで直線だけで全頭を差し切れる馬は、このメンバーには居ないだろう。
サンユベールも徐々に動きだし、内と外に居る他馬の圧力に屈せず、地力の差か一気に5〜6番手辺りに上がり、観客を一瞬で沸かせる。
そして、サンユベールに釣られて各馬一斉に仕掛け始めて、残り400mもしないうちに秋華賞のゴールが迫る。
サンユベールは馬場の中央から女王に相応しい力強い走りを披露しながら、先頭をジワジワと追い詰めていく。
内からブラックエンブレムも伸びてくるが、最後の最後でG�鞠呂猟賣呂鮓�せ付けてサンユベールが秋華賞馬の座に輝いた。
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この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。