近年の長距離路線でのメンバー低下にしては、今年の天皇賞・春はそこそこのメンツが揃った。

     4歳世代は菊花賞馬のハネダニマケナイ、2着のアサクサキングスに7着のホクトスルタン。

     別路線組からは日経新春杯を制したホワイトクラウドがおり、4歳馬だけでも4頭の出走。

     古馬は2006年の2冠馬メイショウサムソンが去年の天皇賞・春に続く連覇を狙っての出走。

     他には阪神大賞典を制したアドマイヤジュピタ、長距離路線の古豪アイポッパーとポップロックも。

     ここまでメンバーが揃ったので、天皇賞・春の面子は保った事だろう。

     イングランディーレ、ヒシミラクル、スズカマンボと低人気馬が勝ち続ける時もあったので、近年の天皇賞・春は手薄な事が多い。

     どの馬も長距離路線での実績と血統を持ち合わせているので、久しぶりに見応えがあるレースになるだろう。

     そんな中で人気なのはハネダニマケナイ、メイショウサムソン、アドマイヤジュピタ、ホワイトクラウド、アサクサキングス。

     この中で長距離実績を挙げていないのはホワイトクラウドだが、父はセイウンスカイとステイヤー適正が高い。

     とはいえ、ホワイトクラウドはステイヤーズステークス3着が長距離での最高実績で、重賞実績は日経新春杯のみ。

     菊花賞に出走が出来ていれば、また結果は違ったものだったかもしれないが、ここで長距離の実力を見せ付けるかが鍵。

     ハネダニマケナイは菊花賞勝利後の阪神大賞典で5ヶ月振りながら、粘っての3着だったので、そこが評価されての1番人気なのだろう。

     そんな訳で、Kanonファームの2頭は1番人気と4番人気に支持されている状況。

 

    「やれやれ、1番人気と4番人気か……どっちが勝たないと駄目だから胃が痛くなるな」

 

     Kanonファーム生産馬は生産頭数が少なく、同時出走自体が滅多に無い状況でのG�気脳絨命裕ぁ△修譴睥鮖砲�ある天皇賞・春では名雪の胃が痛むのも当然。

     Kanonファームとしては菊花賞の勝ち馬は2頭居るが、天皇賞・春は縁が無かったので、ここで長距離重賞を完全に制したい所。

     既に菊花賞、ステイヤーズステークス、ダイヤモンドステークス、阪神大賞典の4つを制しており、残すは天皇賞・春のみ。

     とはいえ、現在の短距離志向では長距離路線組の種牡馬需要はほぼ無いに等しいので、大手以外狙う所は少ない。

     それだけ、長距離路線の空洞化が目立つのだが、Kanonファームのようにどちらかといえば長距離主体の配合はありがたい事だろう。

     いくら、スピード競馬が主流になっても一定の需要があり、母系に入ればスタミナを伝える可能性があるのだから。

 

 

     そして、レース発走時間となり、各馬が順調にゲート内へ収まっていく。

     ハネダニマケナイが4枠5番、ホワイトクラウドが6枠9番と共に内寄りの枠からとスタートする。

     とはいえ、ホワイトクラウドよりも内側に逃げ馬のホクトスルタンが居るので、上手くスタートを切らなければならない。

     最後に8枠13番のアサクサキングスがゲート入りを果たすと、第137回天皇賞・春のスタートが切られた。

     ホワイトクラウドは平均的なスタートを切って、サッと逃げの態勢を作ろうとするが、ホクトスルタンの方が出は良かった為、1歩立ち後れた格好に。

     3200mの長馬場なので無理する事は無いが、大きく離される訳も行かないので、2馬身程離れた位置で2番手に。

     ハネダニマケナイはやや立ち後れた格好でのスタートだったが、元から中団に付ける予定だったのか、騎手は焦ることなく8番手付近から進める。

     京都競馬場特有の3コーナーから最終コーナーに掛けての坂を各馬が下っていく。

     観客からの歓声もあって入れ込む馬も居るが、上位人気は影響なく上手い具合に集中している。

     1週目の直線を掛けていくが、まだまだ2000mもあるので、どの馬も仕掛ける事無く様子を窺っている。

     とはいえ、ここまでの1200mペースは1.11.5と、ディープインパクトがレコードを出した時よりも1秒早い。

     とはいえ、このペースで行ける訳もなく、1コーナーの辺りでホクトスルタンの騎手が僅かに手綱を引いて、息を入れさせる。

     その為、ホワイトクラウドとの差が1馬身程に縮まる。

     代わりに出ても良いのだが、向こう正面に入った所なので、こんな所で仕掛ける訳にもいかない。

     徐々に上がってきたのがアサクサキングスで、僅かながらメイショウサムソンとアドマイヤジュピタも後方から上がってきていた。

     ハネダニマケナイはまだ動かない状況で、今や8番手から10番手辺りまで後退。

     そして、3コーナー付近となり、ここでホワイトクラウドがホクトスルタンに馬体を併せて動き始めた。

     ここで、一気に先頭に立って加速すると思われたが、ピッタリと馬体をくっ付けたまま下り坂に突入していく。

     そして、より一層歓声が高くなり、メイショウサムソンとアドマイヤジュピタが射程圏内まで上がってきた。

     その後ろから、ワンテンポ遅れてハネダニマケナイも上がってきて、上位人気の5頭が5番手までに揃う。

     ここで最初に抜け出したのは、ホワイトクラウド。

     ここまで我慢して2番手に控えていた分、脚はまだ余裕があるが、切れる脚が無いので、早め早めに押し切る算段だろう。

     ジリジリと脚を伸ばすが切れ味では負けるので、差を付ける事が出来ずに捕まってしまう。

     しぶとく脚を伸ばして抵抗するが、外から伸びてきたメイショウサムソンとアドマイヤジュピタに交わされてしまった。

     ここで、奇襲如くハネダニマケナイが荒れた内から差し込んできたが、僅かに届かず、勝ったアドマイヤジュピタから頭差の2着だった。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     特に無し。