ローズSの結果は以下の様に順当な収まり方だった。
1着:ダイワスカーレット。
2着:トロピカルサンデー。
3着:ベッラレイア。
と、上位3頭までが秋華賞の優先出走権利を得る事になったが、元より取得賞金順位でも楽々権利を持っているので、権利自体は無意味。
さて、この結果に対して、1着と2着の差は頭差とそれ程の差が無く、内と馬場の中央での差が現われた位。
3着のベッラレイアは3/4馬身まで食い下がっているが、外から猛追して追い込んだ結果と見受けられる走りだった。
それに比べて、ダイワスカーレットとトロピカルサンデーは鞭を振るわれる事無く、手綱を扱くのみで余裕綽々の走りで他馬を置き去り。
1:46.1と古馬に匹敵する優秀なタイムを出しており、逃げ馬がハイペースで飛ばしたとはいえ、3歳それも牝馬が出せる物ではない。
この結果ならば、両馬共に秋華賞でもウオッカ相手に引けを取らないだろう。
「頭差の2着か……桜花賞よりは差が縮まっているが、トライアルだから参考にはなりにくいな」
「最後はしっかりと伸びたんだけどね。差がないとはいえ、負けたのはちょっと仕掛け所を間違えた私のミスだね」
佐祐理はそう弁解するが、実際は最終コーナー直前からトロピカルサンデーを内から馬場の中央を突いたのだが、前に居た馬が外に寄れてしまった。
一瞬とはいえ、進路が狭くなって追うタイミングがダイワスカーレットに比べると遅れてしまったのだから、その判断が命取りだった。
逃げていた地方馬が内ラチに居て、外に垂れるのか内に垂れて下がるのか癖が見抜けなかった所もある。
そのため、巻き込まれる可能性もあり、内から馬場の中央に馬体を向けて走らせたのだが、結果は内を選択したダイワスカーレットが正しかった。
「これなら秋華賞でもやれると思うが、もう一つの案である海外遠征は大丈夫そうか?」
「ああ、あのインタビューで言っていたリディアテシオ賞の事? 基本的に大物はフランスのオペラ賞とか向かうし、開催時期からして手薄だと思うよ」
欧州では主に10月辺りで主要G�気�開催され、日本の様に11月と12月までG�騎�催は無いので、大物ほど主要G�気鯀世い帽圓�。
その為、欧州の中ではアイルランド、イギリス、フランス、ドイツに比べるとイタリアは一枚落ちる印象があるのが事実。
トロピカルサンデーの祖父トニービンを育成していたのもイタリアとはいえ、生産馬レベルは日本馬の方が勝っている。
「秋華賞に出ない事がどう思われるかが問題だろうだけど、名雪からしたらそれは問題じゃないよね?」
「賞金の安さとかもどうでも良い。いつかに備えて、勝てる様に慣れて置かないとな」
Kanonファーム生産馬の海外遠征はイチゴサンデーやホワイトファントムがこなしていたが、近年では1頭も遠征していない。
備えるという事は秋子が生産した馬と対決するのは、海外だと予想しているのが伺える。
「私は出走に関しては勝ち負け関係無く問題無いと思うけど、テキがどういうかじゃない?」
「それはわたしの仕事だから、佐祐理は気にしなくて良い……まぁ、なんとかなるだろう」
こうして、トロピカルサンデーの海外遠征が決定となるのは、後日の事であった。
一方、同日に開催されていた野路菊ステークスにはラストフローズンが出走していた。
前走の新潟ダート1200mから阪神芝1800mとガラリとコースも相手も変わった中だった。
それでもオグリキャップの数少ない産駒で、前走勝利しているとなれば人気になるのも頷ける結果。
ただし、圧倒的人気ではなく、3番人気とやや控えめな人気だった。
理由は初芝初距離初右回りと初物尽くしなので、芝を1度でも使っていれば評価はまた違っていたかもしれない。
相手にはキャプテントゥーレとベンチャーナインの2頭が人気を争って居る状況だった。
それから離されて人気となっているのが、ラストフローズンで8.6倍のオッズ。
そして、結果の方はラストフローズンが前走に続き、接戦を制して2連勝を果たした。
これによって芝でも戦える事を証明し、ローテーションの幅が広まったといえるだろう。
少なくとも現2歳馬の中では上位に入る実力があり、オグリキャップの系譜継ぐ馬として、既に観客の心を捉えているのは間違い無い。
良血であるキャプテントゥーレを下し、失敗の烙印を押されたオグリキャップの産駒が勝ったのだから。
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この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。