オルタナティブは新馬戦で2着だったが、メンバーが集まった中でソニックブームが出走した新馬戦は5着に終わった。
とはいえ、キャプテントゥーレとトールポピー、アーネストリーと話題性と評価が良い馬が集まった中では健闘といえるのも確か。
一応、キャプテントゥーレが8着だった事もあり、一定の評価以上は走ったので、次走も期待出来るのは間違い無い。
レース振りの方は14頭中の大外枠からのスタートだったので、外からレースを進めて3コーナーと4コーナーの中間付近から捲るというもの。
スタミナを有している血統だからこそ出来る走りであり、徐々に脚を伸ばすタイプなのも幸いし、必死に追い上げた結果が5着だった。
ソニックブームはこの後暫く休養させて、秋の未勝利戦から復帰となり、その間に地力の強化を努める事になる。
「距離は全然大丈夫ですけど、まだ身体が硬い所があるので解消されれば走る様になりますよ」
「フサイチコンコルド産駒はどちらかというと成長力があるし、母系も古馬になってから本格化するしな。これなら結果は上々だろう」
「まだレースに戸惑っている部分もありましたけど、これもレースを使っていけば解消されるでしょう」
「そうか。そうなると3歳春頃から走る様になるか?」
「本格化となるとそれよりも先になりそうですが、先生が言う通りその頃が一番良いでしょうね」
その為には、秋頃に調教で鍛え始めて徐々にレース感覚を磨かせて、春を迎えるのがローテーションに向いている。
Kanonファームの方針はじっくりと仕上げる事になっているので、春のクラシックに間に合わないと感じれば、秋に目標を変更する事が多い。
「間に合えばオークスって所か」
調教師はそういうと、オークスに合う様に逆算をし始めてローテーションの内容をメモに記入していく。
そのメモには冬頃に未勝利となって、春には忘れな草賞かフローラSでオークスの権利取りと強調して目標が書かれた。
さて、3歳G�杵�線で活躍した2頭――トロピカルサンデーとフォックステイルを除く4頭の近況は以下の通り。
2戦1勝のホワイトクラウドは開成山特別――芝2600m戦で古馬を一蹴し、2馬身差の勝利で菊への弾みを付けた。
前走の500万下から1000mも距離延長があったが、本質的にステイヤーである血脈を持つホワイトクラウドにはさほど問題にならなかった。
ここを勝ち上がった事で間違い無く、菊の穴馬として上がり馬扱いされるので、後は取りこぼしをせずに一直線で向かうしかない。
同じくステイヤーとしての血統を持つハネダニマケナイは札幌競馬場で開催された積丹特別――芝2600m戦で勝利。
未勝利の2400m戦に続く距離延長を順調にこなして、2勝目を上げたのでホワイトクラウドと共に菊花賞の伏兵として数えられる存在に。
今年のダービーは牝馬のウオッカが勝利した為、菊花賞路線は混戦となっており、どの馬にチャンスがあるといわれている。
今の所はまだ抜け出した馬は居ないが、上がり馬候補としてはホワイトクラウドとハネダニマケナイが候補になっている状況。
その下には父メジロマックイーンのホクトスルタンと父にマンハッタンカフェを持つマンハッタンスカイが上げられている。
共に夏の上がり馬として菊花賞を制した父を持つので、似た様な成長力を持つ場合は厳しい相手になり得る。
Kanonファーム2004年度産駒で唯一ダート路線を走っているウインドロードはユニコーンステークスに出走するも8着と惨敗。
その為、1000万下に降格してしまい、皆生特別――阪神ダート1400mに出走するも5着に敗れている。
これは近年のダート路線はレベルが高くなっており、芝路線よりも息が長い古馬が多いので、経験が少ない3歳馬には厳しい状況。
それでも古馬と当たるという事は経験の上積みが期待出来るので、今後にも期待出来るのは確かだろう。
最後に2戦0勝のバックドラフトの成績を。
前走の未勝利戦で3着に入った以降は短期間のみ休養に充てて、6月の復帰戦では+10kgと馬体がしっかりと成長していた。
その時点ではまだ無駄な肉が付いていたので4着と敗れたが、休み明け2戦目で初勝利を挙げる。
ただ、騎手の巧さが光ったレースで内からスルスルと抜け出して、人気馬が伸びない中での勝利だった。
とはいえ、これでKanonファーム2004年産3歳馬は全頭勝ち上がって、トロピカルサンデーがオークスを制したので成功といえる分類だろう。
「今年も何とか全頭無事に勝ち上がったか」
名雪は安堵感を込めた吐息を吐き出して、現2歳馬も全頭勝ち上がるのを祈るかの様な表情。
1頭だけ骨折した為デビューは遅くなるが、どの馬も順調に仕上がっているので名雪がそう願うのも無理もなかった。
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この話で出た簡潔競馬用語
注1:ホクトスルタン……父はメジロマックイーン。
注2:マンハッタンスカイ……父はマンハッタンカフェ。