宝塚記念が終わると、各陣営は秋のG�祇錣鉾�えての休養に出す、手元に置いて調整を続けるなど、各馬にあった方針を貫く。
それに合せる様に夏競馬の醍醐味である来年のクラシックに向けた新馬戦が開催される様になる。
少し前までは有力馬のデビュー時期は秋から冬辺りが多かったのだが、近年は早めにデビューをさせる陣営が増加している。
新馬戦の開始時期が早まった事で早めにデビューし、2勝目を上げると冬に備えるという方針が多い。
2歳重賞さえ制してしまえば、賞金不足による除外が影響を受けないのだから早めに重賞制覇を狙い、クラシックに向けて枠を確保する訳である。
そして、早い内から短距離戦のみではなく、マイルから中距離戦まで充実してきたのも理由の1つ。
何よりも阪神競馬場で2歳新馬戦が開催されるので、ローカル開催よりも早く広いコース+直線の坂を試せるのだから。
そうした理由もあるので、Kanonファームの生産馬も7月にデビューが確定している。
エイシンプレストン×タツマキマキマスカのオルタナティブ。
フサイチコンコルド×エアウインドのソニックブーム。
共に父は早い時期から活躍しており、フサイチコンコルド産駒は古馬になっても活躍する息の長さが特徴。
その為、早い内から経験を積ませて古馬まで活躍して貰い、ちょくちょくと賞金を稼ぐので中小牧場には人気ある血統。
エイシンプレストンはこれといった産駒を輩出しておらず、重賞勝ち馬も居ないが自身は2歳から6歳まで活躍した実績を持つ。
香港のみだが海外G�気鬘馨,靴討い襪里如⊆太嗅未�らは人気になってもおかしくない。
さて、2頭が出走するレースの詳細は以下の通り。
阪神芝1400mにオルタナティブ。
阪神芝1800mの方にはソニックブーム。
と共に阪神競馬場となっており、強豪が集まりやすい状況の為か、人気はそこそこといった所。
特にソニックブームが出走する新馬戦の方はキャプテントゥーレ、トールポピーとアーネストリーなど話題性を持つ馬が集まっている。
だが、血統から加算すると祖母にエリザベス女王杯の勝ち馬を持ち、母がブライアンズタイムという血統を持つオルタナティブにはチャンスでもある。
ただし、どちらかというと3歳秋頃から走る様になる血統でもあるので、今回は試金石といえるだろう。
逆にオルタナティブの方はそれほど強豪が集まっていないので、人気面はともかく勝てる可能性が高い。
人気がそれなりの理由は単純に結果が乏しいエイシンプレストン産駒という訳である。
産駒数が少なく、結果を残せていないのだから、新馬戦という未知のレースでは観客からしてみれば買い難い血統。
「人気はこんなものか」
オルタナティブが出走する新馬戦では12頭中5番人気となっており、新聞でもそこそこの評価となっている。
短評では“調教タイムは良好だが、距離が短い予感も”と抽象的なコメントが記されている。
実際に母のタツマキマキマスカはオークス4着など、中長距離で結果を残しているので、それに基づけばそう評価されてもおかしくない。
名雪は競馬新聞に記されている出走馬一覧や各馬の次走予定などを読みながら、出走時間を潰す。
「ソニックブームが出走する新馬戦はメンバーが集まりすぎじゃないか?」
「この時期に芝1800mで阪神競馬場開催だからな。有力馬が集まるのは仕方ない」
北川はぼやいてしまうが、名雪の言う通り早い時期の1800m戦は試金石として試すのに絶好なのだから。
日曜日発走なだけあって、メンバーが集まりやすい状況だったのも拍車に掛けていた。
そんな訳で競馬新聞を眺めていると、オルタナティブが出走する新馬戦の時間となり、従業員が全員集まって観戦をし始めた。
そして、結果は馬場の内から追い込んだが、僅かに先頭の馬を捉えきれず半馬身差の2着に敗れた。
後方からのレースを強いられた結果で、もう少し前で競馬をさせて貰えれば勝利していた可能性は高い結果だった。
道中は挟まれた――バッチンされた挙げ句に最後方からの競馬になってしまったが初レースの割にしっかりと脚を伸ばした。
「ふん……これなら距離延長しても問題無さそうだ」
「ここで勝てれば良かったんだけどな……運が悪かったか」
スタッフの意見も似た様なもので悲壮感は殆ど無く、次走に繋がる走りというのが分かっただけでも満足そうだ。
だが、やはりというべきか初戦で勝ち上がって欲しかったというのが誰もが思っている本心だろう。
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この話で出た簡潔競馬用語
注1:キャプテントゥーレ……母はエアトゥーレ。
注2:トールポピー……半兄にフサイチホウオー。
注3:アーネストリー……父はグラスワンダー。