天皇賞・春の発送時間となり、各馬がゲート前に集合し、誘導員の手によって頭絡にリードを繋がれて、闊歩しつつ周回している。
レース直前になっても、ホワイトクラウドの1番人気は変わらず支持されており、やはり、重賞2連勝中の実績が良い方向に指示されているのだろう。
2番人気にはアサクサキングスとなり、僅かな差でハネダニマケナイが3番人気と、この辺りはオッズの推移は変わりない。。
逆に4番人気以降は実績にばらつきがあり、どの馬もクラシックディスタンスから長距離路線で結果を残しているため、ちょくちょくと人気が入れ替わってしまう状況だった。
最終的にはモンテクリスエスが4番人気に落ち着いて、天皇賞・春の馬券は販売終了となっていた。
閑話休題。
スターターがスターター台に上がり、観客席が一瞬の静寂に包まれてから、京都競馬場にファンファーレが演奏される。
奇数枠の内から順にゲート内に収まっていき、Kanonファームの2頭は共に偶数枠――即ち、後入れとなるので、ゲート内で待機する時間は少なくて済む。
とはいえ、僅かながらでもゲート入りを嫌がる馬が居たので、スムーズなゲート入りとはいかなかった。
ハネダニマケナイも一瞬はゲート前で立ち止まったが、促されると直ぐさまにゲート内に収まってしまう。
5枠10番のホワイトクラウドは何事も無く、ゲートに入って堂々と佇んでいる。
最後に8枠18番の馬が入って、数秒後に特有のゲート開閉音を立てながら、18頭がゲートから飛び出す。
まずはホワイトクラウドが抜群のスタートを切って、得意の逃げに持ち込める状況を作り上げた。
他馬は無理に交わそうと追い上げようとしなかったが、2番手以降のポジションはテイエムプリキュアが集団を引っ張っている。
「1番人気のホワイトクラウドが先頭のままレースを引っ張るようです」
他陣営は競り駆ける事無く、ホワイトクラウドを単独で行かせるようで、スタートからの向こう正面では、2番手に2馬身程の差を付けて軽快に逃げる。
この後は3コーナーから4コーナーにかけて、下り坂があるので暴走気味に行くわけにもいかない。
とはいえ、2番手付近のシルクフェイマスとホクトスルタンが1週目にも仕掛けてきてもおかしくないので、徐々にリードを広げつつ、ジワリとタイムも少しだけ速くなってしまう。
こうなってしまうと、2番手以降はホワイトクラウドを追いかけてから、交わすのは難しくなってしまい、この騎手が得意な逃げ――絶妙なタイムで他馬を封じ込める逃げが、今回も真骨頂として、引き出されている。
そして、ハネダニマケナイの方は5番手付近を走っているが、ホワイトクラウドを含む前4頭から3馬身程離された位置取り。
前はホワイトクラウドが作り上げたペース――平均よりもやや遅いが、遅すぎる訳ではないので、もう少し追い掛けたいところだろう。
ただ、既に1週目の直線を駆け抜けており、観客の歓声でハネダニマケナイの行く気が出てしまったのか、僅かに騎手が手綱を引っ張ってしまう。
それでも騎手は何とか手綱を絞って、1コーナーに入った辺りで何とか行く気を押さえ込む。
ただ、この影響が最後の最後で響かない事を祈るしかない。
ハネダニマケナイよりも後ろに居る馬はアルナスライン、ポップロック、デルタブルースにネヴァブションとアサクサキングス、マイネルキッツが。
ホワイトクラウドが引っ張っているので、やや縦長の展開になっており、中団以降の馬群はごちゃついた状況になっておらず、差し馬が動きやすいだろう。
「残り1600mとなりました。先頭はまだホワイトクラウドが単独で逃げの態勢となっており、このまま逃げ切れるか?」
「アサクサキングスが徐々に上がってきました。現在は10番手付近だが、ここから脚は持つのか?」
騎手の判断はこのままではホワイトクラウドに逃げ切られると読んだのか、残り1000mの時点で8番手辺りに浮上。
ハネダニマケナイは5番手付近のまま、位置取りは変わっておらず、早仕掛けして粘り込むタイプだが、騎手はまだ動かない方を選択したようだ。
アサクサキングスが動いた事で後方の馬もなだれ込むように、ペースが早くなり、シルクフェイマス、テイエムプリキュアとホクトスルタンが飲み込まれるように沈んでいく。
ここで後方が動いたのを察知したホワイトクラウドが、ここから他馬を更に引き離しに掛かる。
3馬身程の差が徐々に広がり、3コーナーから4コーナーにかけての京都競馬場特有の下り坂でロングスパート。
ハネダニマケナイもホワイトクラウドが仕掛けたタイミングよりも僅かに遅かったが、こちらも得意なロングスパートに持ち込む。
しかし、ホワイトクラウドの逃げは止まる事無く、観客の歓声を浴びながら真っ先に直線に飛び込む。
後方から追い上げてきた馬はマイネルキッツが内から付いて、脚を伸ばしたが大勢が決している状況では届かない。
1着のホワイトクラウドは2着馬のマイネルキッツに3馬身の差を付けて、初のG�祇�覇となった。
ハネダニマケナイは最後にマイネルキッツに交わされて3着に敗れてしまった。
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この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。