4月19日。
空は僅かに雲が浮かぶ程度の晴天に恵まれて、春らしい雰囲気を漂わせた中、日曜日らしい退廃的な空気がある場所で感じ取れる。
その場所は、多くの観客が詰め寄って移動すらままならない中で、多くの金額が動く場所。
それは中山競馬場で開催される牡馬クラシックの1冠目となり、今年も18頭――2006年に産まれの7695頭の中から18頭の精鋭が狭き門を潜り抜けた。
そのレース名は競馬ファンにはお馴染みである皐月賞。
競馬場外や競馬場の通路内には皐月賞に出走する馬の写真などが飾られており、特別感と華やかさを醸し出している。
写真は1枠1番から順番に各馬の主な勝ち鞍であるレースを振り返る様にゴール直前の写真がアップで飾られている状況。
それだけ、3歳馬限定であるクラシックの特別感と雰囲気は他G�気任聾�られない。
有馬記念も当てはまるが、ファン投票による出走と3歳馬から古馬まで出走が出来るので、また別の雰囲気となっている。
クラシック2冠目――日本ダービーの方が3歳馬にとっての頂点とはいえ、クラシックの格として、皐月賞を狙わない訳にはいかないのだから。
閑話休題。
中山競馬場の特徴である直線から1コーナーまで坂をスタートから、乗り越える必要があり、起伏が激しいコースの為、未経験の3歳馬には厳しいだろう。
今年の出走馬でも多くの馬が中山競馬場を経験済みで、勝敗はともかく中山競馬場特有の小回りは慣れた馬と騎手でないと仕掛け所が難しい。
小回りの為、内枠では囲まれる可能性もあり、勝率は大外――すなわち8枠の方が成績は良い。
その幸運な枠に入ったのはアンライバルド――現在、ロジユニヴァースに続く2番人気に支持されており、スプリングステークスの勝ち馬で、
血統面からしても半兄にフサイチコンコルドが居る血統の為、G�気任稜�発が期待されているといった所。
逆に1番人気のロジユニヴァースは1枠1番と最内になってしまい、明暗を分けるような枠分けとなってしまった。
そして、去年の皐月賞ではラストフローズンが勝利し、Kanonファームは2年連続制覇の偉業に挑む。
走るのはあくまでも馬なので、牧場の記録としては直ぐに埋もれる様なものだが、記憶には残るだろう。
さて、今年の皐月賞に出走するKanonファーム生産馬はラストリグレット。
ここまでの成績は4戦2勝2着2回で、前走は共同通信杯以来――2ヶ月振りのレースとなる。
2着2回のレースは京都2歳ステークスでアンライバルドの2着、ラジオNIKKEI杯2歳ステークスでロジユニヴァースの2着と、相手にはしっかりと食らい付いていた。
なので、アンライバルドとロジユニヴァースとぶつかるのは2歳戦以来となり、どこまで差が縮まったかが鍵となるだろう。
そんな、ラストリグレットの人気は現時点では4番人気となり、上位3頭からは離されたオッズで、10倍前後を推移している。
弥生賞かスプリングステークスを使っていない為、2ヶ月ぶりのレースとなるので、その点が嫌われたのが分かる。
ただ、実績は重賞勝ちがあるので、4番人気というのは丁度良い評価とも受け取る事が出来る。
さて、そんな中で各馬のパドック紹介が終わり、ラストリグレットの順番となり、アナウンサーとパドック実況によって評価されていく。
「ラストリグレットの馬体重は前走からプラス6kgとなります」
「前走から2ヶ月空いている分、ローテーションは厳しいかも知れませんが、馬体は出来上がっていますので、実力通りの走りはしてくれるのではないでしょうか」
「なるほど。有力馬の1頭として数えられているので、勝利を期待したい所ですね」
ラストリグレットの評価は実況側からも悪くなく、一定の実績が評価されているのが伺える。
そして、パドックに各馬を止める一言が流れて、各陣営は手綱を通して各馬を止める。
騎手はパドック脇の待機所から集合し、誘導員から皐月賞の概要を聴いてから駆け足で自分が騎乗する馬の元に向かっていく。
ラストリグレットに騎乗する祐一は6枠11番から発馬となる緑の競馬用ヘルメットを被って、Kanonファームの勝負服――青と白の縦縞に黒の腕輪を身に包んで、ラストリグレットの陣営に近づく。
「今日も頼むぞ……本番はダービーだが、ここでも結果を出して欲しい所だ」
「へいへい、簡単に言ってくれるな。まぁ、次走も大事だがここも結果出さないとダービーは厳しいだろうし、ちょっと頑張りますか」
名雪と祐一は軽口を叩きつつ、祐一は鐙に足を乗せると厩務員に足を押して貰って、サッと騎乗する。
ラストリグレットは祐一の騎乗によって、やる気を表に出したのか、深く踏み込んで歩き出し、全頭が再び、パドックの周回となった。
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この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。