皐月賞1週間前となり、各陣営は慎重に尚且つ、油断無く調教を課している最中。
ここがラストの追い切りとして、直前――レース3日前には軽くキャンターのみで負担を少なくするが、キチンと走る気を促し、本番で爆発させる。
とはいえ、多くの陣営は皐月賞が本番では無く、5月31日に開催される東京優駿――日本ダービーが目標。
だからとはいえ、皐月賞の方を軽視する訳でもなく、7割から8割前後の出来で出走するのが望ましい。
ラストリグレットはそれに踏まえて、現状は7割後半程で、毛づやも悪くなく飼い食いもしっかりしており、皐月賞では前走よりもプラス体重で出走出来ると判断されている。
後は当日まで如何に体調を維持したまま、皐月賞に出走出来るかが鍵となるだろう。
麗らかな春の季節とはいえ、昼夜の気温差によって体調を崩して、皐月賞を回避してしまう可能性もあり得る。
過去にはダンスインザダークが皐月賞の本命ながら回避の憂い目にあっているので、油断は出来ない。
「今の所は順調ですので、体調面の不安点は一切無いですよ。敢えていうなら共同通信杯以来になりますから、当日の入れ込みが心配なだけですね」
本来は皐月賞を回避の予定だったが、大レースのプレッシャーを受けずにダービーへ向かうのは難しいというのもあった。
その為か急遽に出走を決めたように見えるようで、体調面に関してなどの質問を競馬記者から投げ掛けられている状況。
実際は急遽決定した訳ではなく、出走の可否を決定していなかっただけで共同通信杯直後では、トライアルを使ってから出走か皐月賞直行かで案が出ていた。
「ダービーが目標ですから、ダメージを与えないようにするにはステップを使って皐月賞を回避するか、
皐月賞を回避してダービー前に1つ使うという方法もありましたが、大舞台の経験が乏しいので皐月賞を使う事になった訳です」
出走が判明するのが遅れた――遅らせた理由はライバル陣営にとってはラストリグレットが出走するかしないかで、レース展開が変わってしまうので、わざと未定のままぼかしていた訳である。
おそらく5番人気前後に収まると思われるが、先行タイプのラストリグレットが展開を握る鍵だと騎手関係からは判断されているだろう。
近年の競馬では差しや追い込みの方が持て囃されているが、安定した脚質である先行は華こそは無いが、強い馬の脚質が先行だとそれだけで他陣営は警戒する必要が出てくるのだから。
共同通信杯でラストリグレットが見せた上がりはブレイクランアウトよりも遅かったが、早々と抜け出してからもラストまで止まらなかった。
早めに抜け出されると、他の馬はそれを捉える為に早々と脚を使う事になり得るので、タイミング良く出し抜く必要があるのだから。
「まぁ、トライアルを使っていないので人気はそこまで無いと思いますね。強い馬が居ますから、皐月賞では少し厳しいかなと思っています。勿論、勝算がゼロとは言い切れませんから、逆転の余地はあるでしょう」
他陣営との駆け引きの様なもので、人気になってマークされるよりは5番人気前後になって、マークが薄くなった方が良いのだから。
既に番外駆け引きは何処の陣営も行っており、皐月賞開催日直前の競馬新聞ではまた違うコメントが載せられている事だろう。
今週の競馬は桜花賞――3歳牝馬クラシックの1冠が開催される。
こちらは圧倒的1番人気に支持されたブエナビスタ――新馬戦でアンライバルドとリーチザクラウンの3着に敗れた後は4戦3勝の成績。
その中身は阪神ジュベナイルフィリーズとチューリップ賞と非常に濃いもので、他馬とは一線を画している。
さて、桜花賞の方にはKanonファームの生産馬は出走していないが、土曜日に開催される阪神牝馬ステークスにはサンユベールが出走。
去年のエリザベス女王杯1着以来の出走で、約5ヶ月振りの出走となるが、他馬とは実績が抜けているので、1番人気に支持されている状況。
重賞勝ち馬は居るがG�靴泙任稜呂�多く、G1勝ちを3勝しているサンユベールの人気は揺るがない。
「ここを勝って、ヴィクトリアマイルに向けて良いレースをしてくれると良いが」
「久しぶりのレースなので、どう出るかは分かりませんが、酷い結果にはならないと思います」
名雪と調教師はその様なコメントを残すが、結果は違っていた。
結果は直線までは普段通り――サンユベールに向く展開であったが、直線に入ってからは、伸びあぐねてしまい7着と掲示板を外す結果に。
得意の阪神――4戦3勝2着1回とパーフェクトの成績だったが、久しぶりの1400m戦が堪えたのかも知れない。
新馬戦以来の1400mはサンユベールに戸惑いを与えるだけに過ぎなかったようだ。
次走のヴィクトリアマイルで結果を残せるかが、今後のローテーションに明暗を分ける事になるだろう。
1部に戻る 2部に戻る ← →
この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。