春らしい時期が訪れ、３月最終週である今週は中京競馬場で高松宮記念が開催されるが、残念ながらKanonファームからの出走馬は居ない。
所有馬の大半が短距離向けではないのも含めて、現状では厳しい路線には違いない。
現３歳馬が来年に出走出来れば上々といった所で、早急に短距離路線で走れる馬を生産する必要も出てくるだろう。
ただ、Kanonファームの繁殖牝馬は昔ながらの血統が多いので、徐々に入れ替える必要があるのも確か。
現状ではフォックステイルが短距離路線で走る馬を出してくれれば、名雪としては万々歳といった所だが、数年は見ないと結果は出ないだろう。
閑話休題。
土曜日には日経賞――中山で開催されるＧ�兇乃�離２５００ｍと天皇賞・春に向けてのステップレースの１つが開催される。
阪神大賞典や大阪杯に比べると、後のレースに繋がりにくい印象を受けやすい。
近年ではＧ�鞠呂鯒攴个靴討い覆ぐ戞■猫気任和�りない馬が良く勝利しているのが特徴。
こちらにはホワイトクラウドが天皇賞・春のステップレースとして出走する。
今年のＡＪＣＣ以来の出走だが、中間はジックリと乗り込んで直前は早い時計を１本出しているので、好気配を維持している。
今年こそＧ�祇�覇を視野に入れても良い程で、去年の天皇賞・春４着の時よりも成長のピークが近づいて来ているのだから。
「馬体重は前走からプラス体重で出走出来そうです。天皇賞の事を考えるとここは７割前後の力を出せれば良いですね」
「ホワイトクラウドは逃げ馬だから、道中に力を抜く事をもう少し上手くいけば重賞勝ちも増えたと思う」
「癖を直したら直したで、惨敗する可能性も多いでしょうし、ここまできたらこのままの方が良いでしょうね」
重賞制覇は日経新春杯とＡＪＣＣの２勝しているが、どちらも逃げ切り勝ちなので、ここから脚質転換は厳しいだろう。
既に手の内は知り渡っている状況なので、奇策として脚質転換しても良いが、勝算が無くなるような奇策は無意味。
「血統が血統だから、逃げの方がホワイトクラウドらしさがありますからね。出遅れ無い限り、逃げ一貫でいきますよ」
こうなると後は毎回、マークされて潰されないようになるのを祈るしかない。
それが逃げ馬の宿命であるのだから。
日経賞の出走馬は見慣れた古馬長距離路線組が揃っており、ちょっとした同窓会の様な感じになっている。
アルナスライン、マイネルキッツ、ネヴァブション、マンハッタンスカイにホクトスルタンと見慣れたメンバー。
ここにホワイトクラウドが加わるので、この路線――長距離路線は４歳馬が台頭し難い路線だろう。
なお、アサクサキングス、デルタブルース、ポップロックにハネダニマケナイも天皇賞・春を目指しているので、古豪のみが集まったレースと見受けられてもおかしくない。
「……移り変わりしないメンバーだな。こうなると手堅く行った方が良さそうだ」
実績面も差が無いので、オッズの差もそれ程無く、ホワイトクラウドは１番人気とはいえ、３.６倍とそれなりの評価されている。
前走のＡＪＣＣを制した事でこの評価なので、このメンバーでは有力と見られているのが分かる。
パドックでは入れ込むことなく淡々と周回しており、７割前後の出来とはいえ十分勝負になるのが伺えた。
因みに２番人気はネヴァブションとなっており、こちらもＡＪＣＣの出走組でホワイトクラウドの２着からの出走。
３番人気には１６００万下を勝利したばかりのアーネストリーが新鋭として、古豪に挑むが、オープン勝ちも無いので現状ではどこまでやれるかが課題だろう。
日経賞の発走時間となり、各馬がゲート前の軽い輪乗りから誘導員に引かれてゲート内に収まっていく。
ホワイトクラウドは逃げ馬ながら、大外――８枠１６番からのスタートなり最後の枠入りとはいえ、上手くスタートを切れないと惨敗だろう。
そして、スタートが切られる。
１番人気に支持されたホワイトクラウドは出遅れずに上手くスタートを切ったが大外の為、ポジションを取りに追わなくてはならない。
コーナーを回るまでは何とか主導権を奪ったが、先頭を奪取した分の脚があるので、ここからはジンワリと差を広げに掛かるしかなかった。
２番手に２馬身程度の差を付けた所で、一旦ペースを落として１ハロンのタイムを急激落とした為、２番手の馬が差を詰めたように見えるだろう。
２番手の馬に騎乗する騎手はホワイトクラウドを抜かない様に手綱を引くが、ホワイトクラウドの騎手は相手が行きたがっているのを確認して、スッと差を広げに掛かる。
このようなペースによって、ホワイトクラウドは無理なく先頭を走っており、このまま逃げ切りは濃厚だろう。
そして、最後はゴール前で軽く流して、２着馬に付けた着差は３馬身差と楽勝だった。
こうして、ホワイトクラウドは天皇賞・春の本命に名乗り上げるのに成功した。
１部に戻る ２部に戻る ← →
この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。