今週の競馬にはミストケープが赤倉特別――新潟芝2000mで行われる1000万下に出走。

     ハンデ戦なので、近3走が6着、6着、5着のミストケープには斤量が54kgと他の馬よりも僅かに軽量。

     距離も主戦場の2000mなのでチャンスはある方だが、特別戦になると3連敗してしまっている。

     これが特別戦ではなく平場戦だったら、もうちょっと強気になれるだろうが連敗中では競馬新聞の印も空白が多い。

     続いてはサンシャインレディが東京芝1600mの500万下に出走。前走の未勝利戦で初勝利を挙げた勢いで連勝を狙う。

     不安点は東京競馬場でのレースが初挑戦なので、広く長い直線で脚が持つのかが不明な事である。

     それと左回りも初めてと不安な事が多いが、初勝利の勢いが継続されていればあっさりと連勝する可能性も残っている。

     アンバーシャダイ産駒の成長力――3歳の春から秋頃までに1回目の成長あると言われている事が発揮するかもしれない。

     因みに2回目は4歳の春頃からだと噂にはなっているが、本馬とノーザンテースト産駒の共通事項なので事実とも言えるだろう。

     それくらい成長力があるのが特徴なので、もしかしたらと言う想いも出てくるのは当然だろう。

     最後にストームブレイカーが土曜日に行われる京都芝1400mの500万下に出走。

     1400m戦は2戦2敗と今の所では勝ちが無いので、期待はし難く適鞍が無い分仕方ないと言える。

     1戦目は出遅れ、3戦目は伸びたのだがジリ脚っぽい脚取りだったので、本来ならもう少し距離が長い方が良いのだろう。

     だが現時点では不得意な距離とは言え、惨敗は無くそれなりには走っている状況であるから、いつかは勝てるかもしれない。

     けれど、競馬記者の判断は厳しく映ったのか印は△が2つだけとなっていた。

 

    「ちょっと、印が薄いですね」
    「そうか? 私はこんなもんだと思うがな」

 

     二人の評価はばらけてしまっているが、お互いに勝利を目指しているのは事実であり、所有馬の勝利を願うのは当たり前。

     因みに5月4日には兵庫チャンピオンシップに出走予定だったウインドバレーは調整遅れの為、6月3日のユニコーンSに回った。

     体調が悪いわけではないが万全とは言い難いので、余程若葉Sの疲れが残っていたと言える。

 

    「兵庫チャンピオンシップに出走していたら、どうなっていたかな?」
    「どうかしら? 案外、楽勝出来ていたかもしれないわね」

 

     はふぅ、と名雪は、1ヶ月先まで出走しないウインドバレーを歯痒く見守るしかない事しか出来ない事で溜息を吐いた。

     ユニコーンSは中央では唯一の3歳ダートの重賞――G�靴任△蝓∨悗匹涼羆�3歳ダート馬が狙うレースとも言える。

     地方に比べると、3歳ダート路線は未だに認識されていないので、地方遠征馬が増えているのが事実。

     中央馬が地方馬にダートで勝てないのは、この単純な理由がある限りG�機宗愁侫Д屮薀蝓治咾肇献礇僖鵐�ップダートでは地方馬に持っていかれるだろう。

 

    「まぁ、ユニコーンSの後はジャパンダートダービーに出走するとは思うわよ」
    「……交流戦だから、選ばれないと駄目だよね?」

 

     曖昧に秋子は頷きはするもの、競馬協会から選定されないと交流戦には出走が出来ないので現状では肯定は不可能。

     ユニコーンSに勝利すれば出走出来る確立は飛躍的に上昇し、選ばれる可能性がグッと出てくるだろう。

     なので、勝利する事が第一であり勝てば、中央重賞初制覇+ジャパンダートダービーの出走権利を得られる。

 

    「それだと頑張ってもらわないと困るな」

 

     ニヤリと口端を吊り上げつつ、含み笑いの表情になっている名雪。

     2つのおまけが得られる事になるので、ユニコーンSを狙う手は無い。

 

    「東京ダート1600mはヒヤシンスSで勝利しているし、問題は無いな」

 

     祐一も同意しており、ユニコーンSに出走させる事を反対する人物はKanonファーム内では誰もいない。

     こうして、ウインドバレーの次走がユニコーンSで確定し、後は調整を調教師に任せるのみとなった。

 

 

     それぞれ、ウインドバレーのローテーションが確定すると各自に自由を行っていた。

     名雪と祐一はKanonファームの外れにある1週1000mの調教コースに向かい、ちょっとしたレースを行う様子。

     そのため、ピッタリと身体にウィットした派手めのブルソンを羽織ってその下にはプロテクターを。

     ヘルメットとゴーグルは頭に被り、鞭、鞍と腹帯、手綱をそれぞれ両手に所持して調教コースに向かっていった。

 

    「そろそろ、決着をつけないとね」
    「それはこっちの台詞だ……お互いに200戦100勝100敗目だからな」

 

     名雪は軽くそっぽ向きつつ舌打ちを行ってから、しっかりと馬具を所持した事を確認して、祐一の後を追いかけていった。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     特になし。