――今年1年の競馬が終わり、また1頭1頭と時代の名馬がターフを去って行く。
引退した馬の中にはオグリキャップの名が連ねており、3強揃って――スーパークリークとイナリワンも来年の競馬から見られなくなる。
願うは、種牡馬になってからも一定の実績を築き上げて欲しい物だ。
例え、時代を引っ張った名馬だろうが、種牡馬成績が悪いと淘汰されてしまうのだから。
さて、下半期のG�祇錣鮨兇衒屬辰討澆襦�
やはりと言うべきか、一番印象が残るのはオグリキャップの引退レース――有馬記念で劇的な勝利を収めた事。
天皇賞・秋とジャパンカップでの惨敗がオグリキャップの評価を著しく下げてしまい終わった馬だと言われ続けた。
それを覆して追撃を図る3歳馬――メジロライアンを抑えての勝利には、暮れの中山競馬場にオグリコールが響き渡った。
オグリキャップの調子が悪い時だが、ジャパンカップを制したのはオーストラリア産のベタールースンアップ。
去年のホーリックスはニュージーランド産なので、史上初の豪州産馬の勝利となった。
天皇賞はヤエノムテキが一蹴して、皐月賞に続くG�毅仮〔椶鯏豕�競馬場で成し遂げる。
この天皇賞・秋には3歳馬のサウンドワールドが出走したのだが、結果は惨敗であり、菊花賞に向かわせるよりはマシだったかもしれない。
その3歳牡馬クラシック最終戦の菊花賞は夏の上がり馬――メジロマックイーンが半兄メジロデュレンに続き兄弟制覇。
因みに3冠皆勤賞のメジロライアンは皐月賞から3着、2着、3着と今ひとつな結果になってしまった。
だが、有馬記念でオグリキャップの2着に入った事から地力があるのは確かだろう。
それと対照的に盛り上がりが悪かった牝馬クラシックに目を向けてみると、アグネスフローラが引退した事で秋華賞は大きな空洞が。
秋華賞は一発屋らしく、イクノディクタスが万馬券を演出してしまった。
古馬牝馬と3歳牝馬の頂点争いはエイシンサニーに軍配が上がり、相変わらず3歳牝馬が強いレース。
マイル路線は前年覇者のパッシングショットがマイルチャンピオンシップを連覇し、短距離路線はバンブーメモリーがスプリンターズSを。
バンブーメモリーは来年も現役続行だが、パッシングショットが引退した事で暫らくはマイル王者を探すのが課題になりそうだ。
冬の府中で行われる中央ダートG�気裡韻帖宗愁献礇僖鵐�ップダートは地方馬のスイフトセイダイが制覇した。
フェブラリーS馬のカリブソングには距離延長が厳しかったのだろうか?最後に今年の2歳G�気髻�
朝日杯フューチュリティSはアメリカからの持ち込み馬であるリンドシェーバーが脅威のレコードタイムで他馬を子ども扱い。
阪神ジュべナイルフィリーズはノーザンテーストを父に持つノーザンドライバーが勝利。
これで3強が揃ったレースは二度と見られなくなるが、これも新たな時代に進むためにはやむ得ない状況。
来年からはシンボリルドルフの産駒がクラシック路線に乗るかもしれないので、ブラッドスポーツと言う事が証明されるだろうか?
と、本日発売した競馬雑誌を秋子は隅々まで読みつくしてから、テーブルの上にパサッと置く。
今年の競馬は全て終わったのだが、牧場関係者には賞金を稼げない日々が続くので再開されるのが待ち遠しい期間と言える。
地方競馬ならまだ開催中の場所はあるが、現在は出走馬がいないので関係無い事。
秋子は、ふと何かを思い出したのかサイドボードの引き出しに仕舞っていた今年の成績表を取り出す。
ルリイロノホウセキがデビュー勝ちをした以来――9月30日から、まったく勝利していない現実が圧し掛かる。
「うーん、それでも今年1年は7勝していますね」
前年の8勝より1つ少ない7勝だが、G�僑鈎紕臆鵑�あるので稼いだ総賞金は今年の方が僅かに多いくらい。
それに2度もG�欺仭�できた事が一番の僥倖と言えるくらい。
後半になって成績が下降してしまったのは残念だが、来年に期待するしかない。
それに来年はミスタープロスペクターの産駒である仔馬がデビュー。
育成牧場の評判もなかなか良好で、ダート路線なら活躍すると太鼓判が風の便りで流れていた。
母馬の購入なので持ち込み馬としてマル外にはならない利点にもあり、クラシックの出走も可能となっている。
「活躍してくれると良いですね」
「そうだな……地方交流戦のお陰でダート戦の評価も高まっているしな」
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様々な路線もあるので、昔よりダート馬の活躍の場所は格段に増加しているので2人がそう思うのも無理がなかった。
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この話で出た簡潔競馬用語
注1:ベタールースンアップ……オーストラリア産であり、JCを含めて7勝もG�犠,舛鮗�めている。
注2:メジロデュレン……メジロマックイーンの半兄であり、夢馬券の有馬記念を制している。
注3:メジロマックイーン……メジロデュレンの半弟であり、兄と同じローテーションで菊花賞制覇。
注4:イクノディクタス……後に51戦もして鉄の女と呼ばれる。
注5:ノーザンドライバー……実際にはG�犠,舛鰐気い�、マイル前後での
レースが安定していた。
注6:リンドシェーバー……マル外旋風を巻き起こす前の活躍馬であり、
この時のレコードは数年後まで残る。
注7:スイフトセイダイ……8歳まで走り続け、51戦27勝と息の長い
活躍をしている。