サウンドワールドが皐月賞で8着と力の差を実感した敗戦から次の日。
Kanonファームにはいつものように早朝から馬の世話を行っており、敗北によって更に力が入っているようだ。
G�気鮠〕�するために何が必要なのかが分かったのか、帰宅直後に様々な意見が交わされた。
血統面が悪いと言う意見が出ると、基礎運動量が足らないと反論が起こったりしたが、G�祇�覇の為に長時間行われた。
結果はどれもが一部分欠落していると言う結論が決まり、補うためには手始めに基礎運動量の増加となった。
これなら、運営資金が小額のKanonファームでも曳き運動で補う事が出来るのだが短時間では効果が無い。
長時間、長距離を毎日行ってようやく実感出来るほど、筋肉が増加するので休む事は不可能である。
馬の運動は1日休むと3日分の調教が無駄になってしまうので、調教が無い日は曳き運動を行う厩舎が多い。
そして、血統面については資金が無い代わりに創意工夫で配合を考える事と直感を大事にする事で決着が付く。
どんなに悪い配合でも代重ねを繰り返していけば、隔世遺伝と思える程素晴らしい馬が産まれるかもしれない。
まぁ、滅多に爆発する訳ではなく偶然の産物も含まれているので、簡単に産まれないだろう。
閑話休題。
Kanonファームでは意識の取り組みから行っており、その為に早朝から馬の世話を行っているのだが、欠伸だけは何度も洩らしている。
「ふぁ……ぁ、眠いよ」
大きく欠伸を洩らしながら、名雪はそれでも手を休めずに曳き運動で歩き続けている。
牧場の敷地内の舗装された道だけとは言え、面積は広いので1週回るだけでも十分な運動になる筈。
だが、現在は3週目の半ばであり、秋子が示した目標周回数にはまだ1週半も残っている。
「……そっちは楽そうで良いな」
曳いている馬に話しかけるが、当たり前だが何の反応も無く、馬はただ歩き続けている。
苦笑いを洩らしながら、名雪は一瞬だけ引き摺られるような格好になってしまうが、すぐさま立て直し歩き続ける。
さて、早朝の曳き運動は全頭が終了したが、これで1日の作業が終わる訳では無い。
本日は種付けを行うために生産牧場に繁殖牝馬を連れて行く必要があり、その為に移動準備を行う。
3頭の繁殖牝馬を馬運車に載せて、生産牧場に向けて移動を開始する。
本日は月曜日なので、子供2人は学校にいっている時間なので秋子1人で赴き、秋名は牧場作業を。
「今年は何を付ける予定ですか?」
運転手に尋ねられたので秋子は、配合予定の種牡馬名を挙げていく。
アスワン×クイーンキラ。
キンググローリアス×フラワーロック。
エブロス×ファントム。
と、配合も秋子は教えるが別に知られても困る事無く、逆に会話の楽しみが出来るのでそっちを選択したのみ。
「なるほど、アウトブリードを狙った配合ですね」
「ええ、リスクが多いインブリードはちょっと冒険心が無いと」
秋子は少しばかり憂いた表情を覗かせながら、吐息を吐いて外の風景を眺める。
風景は馬運車の進んでいく方向とは逆に流れて行き、長閑な風景が閑散と続いていた。
「皐月賞は見に行かれたんですか?」
「サウンドワールドが出走したんですけど、ジャンケンで負けてしまいまして」
その後は他愛の無い会話が続いていたが、競馬に詳しい人物同士だったのであっという間に時間が経ち生産牧場に辿り着いた。
既に種付け準備は終わっているのか、生産牧場の厩務員が到着した馬運車から次々と繁殖牝馬を下ろしていく。
3頭とも一緒に行動しているので入れ込んだ様子も無く、実に大人しい状態なので、秋子は一息吐く。
「えっと、本日はアスワン、エブロス、キンググローリアスですね?」
場長が台帳に固定されたプリントを捲りながら秋子に確認を取り、質問された本人は肯定として頷く。
秋子は種付け場まで場長と話しながら向かって行き、目の前にある円柱と円錐を繋ぎ合わせた木製の建物が現す。
屋内はそれほどの広さは無く、10m四方程の面積しかない。
屋内には既に種付けを行う当て馬と種牡馬が準備しており、後は繁殖牝馬が受け入れるだけ。
そして秋子の目の前で種付けは何も問題が無く、数分もしたら全頭終了となった。
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この話で出た簡潔競馬用語
特になし。