――今年1年の競馬が終了した。

     秋のG�気禄佞鉾罎戮襪塙皀譽戰襪砲泙箸泙辰織譟璽垢�多く、特にオグリキャップが出走したのはどれも素晴らしい。

     特に毎日王冠、天皇賞・秋、マイルチャンピオンシップ、ジャパンカップはオグリキャップのパフォーマンスを見せ付けられた。

     毎日王冠は天皇賞・春と宝塚記念の覇者――イナリワンを鼻差凌いで勝利。

     天皇賞・秋こそはスーパークリークに敗れたが、怒涛の追い込みで2着になった。

     マイルチャンピオンシップは届かない、と思われた絶望的な位置からバンブーメモリーを驚異的な根性で差し切る。

     ジャパンカップはホーリックスに大外強襲で差し切ろうとしたが首差届かなかったが日本レコード2.22.2を刻んでいる。

     勝てなかったので、芝2400mの日本レコードにはホーリックスの名が刻まれたが記憶に刻まれたのはオグリキャップだろう。

     有馬記念は3強――オグリキャップ、スーパークリークとイナリワンが3度目の顔合わせになった。

     そして勝ったのはイナリワンでオグリキャップは連戦に次ぐ連戦で疲れが残っていたのが分かるように5着に敗れた。

     スーパークリークは鼻差の2着に敗れたが、騎手が迫ってきた馬をオグリキャップと勘違いしたのが僅かの差で敗れた原因だろう。

     こうして見ると、3強が出走したレースはどれも歴史に残る程の熱いレースだと分かる。

     生で見られた人は歴史の証人になった事を自慢しても良いくらい。

     古馬戦は非常に盛り上がったのだが、クラシック戦の方は今一つ盛り上がりが欠ける印象。

     菊花賞は夏の上がり馬、バンブービギンが5月の未勝利戦から駆け足で一気に頂点まで取ってしまった。

     逆に春のクラシック馬はまったくと言っても良いほど、歯が立たなかったので強さに疑問視が残ってしまう。

     秋華賞はシャダイカグラが勝利したがエリザベス女王杯は大惨敗してしまい、サンドピアリスが万馬券を演出。

     スプリンターズSはパッシングショットが牝馬らしいレース振りで勝利を果たしている。

     ジャパンカップダートは又にしても、地方馬――チャンピオンスターが勝利しており、至急中央競馬はダート馬の育成を図る必要あり。

     2歳G�機�朝日杯フューチュリティステークスはアイネスフウジンが逃げ切り勝ちを収めた。

     そして、阪神ジュべナイルフィリーズはアグネスフローラが3戦3勝と重ねての栄冠。

     来年のクラシック世代は非常に楽しみなメンバーがポツポツと揃っており、今年よりは遥かに良さそうなメンバー。

     と、競馬雑誌には今年の朝日杯のタイムなどを比べたのを参照にした文章が書かれていた。

     ふわり、とそのページは風によって捲れてしまい、一緒のテーブルの上に置かれているホットコーヒーの湯気が揺らいでいる。

 

 

     Kanonファームの放牧地には雪がそれなりに積もっているのだが、高さは馬の繋位までしかない。

     そのため、風邪や故障でもしていない限り、どの馬も放牧に出されている。

     来年の競馬に向けて放牧に来たのはアストラル、サイクロンウェーブ、サウンドワールドである。

     特にサウンドワールドは芦毛なので、雪景色に埋もれて存在が希薄になってしまった感じがしている。

     どの馬の背にも馬名が書かれた派手な馬服を被せているので、そこまで希薄になる事は無いが。

     この場に居ない馬達はそれぞれの厩舎か、別の育成牧場に放牧されている。

     因みにアストラルは11月と12月に出走したが、それぞれ6着、5着とちょっと壁に当たった感じになってしまった。

     3歳馬の2頭――エアフリーダムとエレメントアローは1000万下に出走していたのだが、勝てなかった。

     それぞれ前走勝った距離より短くと長くしたのが原因とハッキリした理由が分かっている。

 

    「次回に期待出来るでしょうね」
    「そうだろうな、勝った距離に戻すんだし」

 

     客観的な理由を述べているが簡単に勝てる程、競馬は甘くないスポーツ。

     それよりも、と秋子は今年の家計簿を開いて秋名に手渡す。

     ほんの僅かにだが黒字になっており、今年の勝利数が7勝と好調なのが理由だろう。

     ただ、相変わらず重賞だけは未勝利だが。

 

    「来年こそ、重賞を勝ちたいです」
    「……そうだな」

 

     秋名は煙草を口に咥えつつ、椅子の背もたれに寄りかかりながら秋子の言葉に同意していた。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     注1:ホーリックス……ニュージランド産の牝馬であり、ジャパンカップは芦毛同士の決着。
     注2:バンブービギン……父がダービー馬のバンブーアトラスを持つ菊花賞馬。
     注3:パッシングショット……実際はこの歳での重賞勝ちは無く、父にトウショウボーイを持つ。
     注4:サンドピアリス……ダート馬としての活躍をして期待された馬だが 20番人気でのエリザベス女王杯の勝利をしてしまった。
     注5:チャンピオンスター……帝王賞勝ちがある大井所属馬。
     注6:アイネスフウジン……シーホークを父に持つ逃げ馬で、朝日杯は逃げ切った。
     注7:アグネスフローラ……実際は阪神ジュべナイルフィリーズを勝っていない。