――今年の上半期に行われた中央G�気�全て終了した。

     評価するとしたら100点中70点と言った所だろうか、故障により出走メンバーが減った事も起因となる。

     特に古馬になったオグリキャップとスーパークリークがそれぞれ、安田記念と天皇賞・春、宝塚記念に出走出来なかったのだから。

     オグリキャップは右前繋靱帯炎――繋靱帯とは蹄と球節の間を指し、炎症を起こし靱帯線維が断裂した事で春全休。

     そして、これが3度目の馬主変更であり詳しい経緯は省くが、これも余波があったのだろうか?

     スーパークリークの方はコズミ――俗に言う筋肉痛を発症してしまい歩様が乱れてしまったのが原因。

     上記の3つのG�気篭�き巣レースに近い物だと思われていたが、蓋を開ければ新たな名馬が誕生した事に拍手を送りたい。

     その馬の馬名はイナリワン。

     大井競馬場所属だったのだが、成績がそれなりに良かったので中央に転厩して来た。

     オグリキャップとは違い大井の名馬と言う感じは無く、これと言ったレースを勝利していないので評価は低かった。

     劇的に評価が変わったのは天皇賞・春のレース後であり、4番人気ながら2着馬に5馬身突き放してレコードのオマケ付き。

     次の宝塚記念も疑念があったのか単勝人気は2番人気に過ぎなかったが、フレッシュボイスに首差ながら力で捻り伏せた。

     続いてはクラシック路線に眼を移してみよう。

     今年のクラシック上半期はどちらかと言うと、マイナー血統が台頭したレースだった。

     特に牡馬戦はホスピタリティ産駒のドクタースパートが皐月賞を制して、日本ダービーはシーホーク産駒のウィナーズサークルが。

     馬名の通り、一生の内一度しか立てないウィナーズサークルに立つ事が出来たのは素晴らしい事だろう。

     ただ、珍しい事にこの馬の生産地は北海道ではなく、関東にある茨城の牧場。

     生産地のメッカは北海道の静内と日高辺りだが、どちらにも属しない地区からダービー馬が出たのは競馬のあり方を考えさせてくれる。

     そして、牝馬クラシックの方だが、こちらはシャダイカグラが桜花賞、ライトカラーがオークスを制している。

     特に特筆すべき物は桜花賞のシャダイカグラが一番人気で出遅れて、ゴール前にサッと頭差で勝利した事だろう。

     大外枠の8枠18番だったので、騎手が“わざと”出遅れたと言われているがはぐらかされているので推測に過ぎない。

     フェブラリーSはフェートノーザンがジャパンカップダートに続く中央ダートG�気鯱⊂ �

     そして短距離路線――高松宮記念はトウショウマリオが制して、安田記念は初重賞挑戦制覇、テン乗り、10番人気のバンブーメモリー。

     これだけの混戦が数多くあったのだが、秋にはオグリキャップとスーパークリークが復帰するで楽しみは増大するだろう。

     こうした文章が書かれており、次のページからには秋の期待馬と先の事が簡単に書かれていた。

 

 

     エアフリーダムが勝利した事で上半期3勝目とそこそこの成績を示した。

     最初に下半期のレースに出走する馬はエレメントアローと決まり、未勝利戦を勝利して500万下になりたい所。

     この時期の未勝利戦はクラシック路線に乗れなかった馬が多いが、どちらかと言うとレベルは低い。

     期待の良血馬は既に勝ち上がっている事が多いが、稀にこの時期までに残っているのはメッキが剥がれた良血馬になる。

     初出走前は評価が良かったのに、デビューするとガラリと落ち込む馬は日常茶飯事で見られる光景。

     そうならないように、馬主は見極めを磨く事が大事な事。

     閑話休題。

     エレメントアローが出走するのは夏の福島競馬場芝1800m。

     福島競馬場は平坦コースで1周が約1600mと実に小回りのコース。

     1ヶ月近くレースが行われた代償として、内枠付近の芝が剥げ欠けている状態。

     なので、多くの騎手は馬のスタミナを奪われないように外にぶん回して乗る事が多い。

 

    「内枠で大丈夫でしょうか?」
    「騎手を信じるしかないな」

 

     エレメントアローは1枠1番――つまり、ボロボロの芝の上を走る事が確定した物だ。

     レースを見ていると、エレメントアローを除いて大半の馬は外に持ち出して位置をキープしている。

     この場所で走り続けると、スタミナ浪費が他馬の数倍早く減ってしまう恐れがあるが、騎手は外に持ち出さない。

     そして、直線。

     相変わらず、エレメントアローは外に持ち出されずに直線でもがいているが外を走っている馬とは3馬身程度の差を付ける。

     外は芝が良い分、距離ロスが内より多くあるので届かないことがある。

     エレメントアローも内枠の分、リードは勝っているがスタミナ浪費は厳しい。

     福島競馬場の直線は292m。

     後ろ過ぎても差せない小回りコース。

     残り100m。

     エレメントアローのリードが徐々に減少して、2番手以降の馬に追い付かれそうな状況。

     そして、ゴール。

     僅か、首差を凌いでエレメントアローが勝利を手に入れた。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     注1:イナリワン……後にオグリキャップ、スーパークリークと3強になる程の実力を持っている。
     注2:ポスピタリティ……大井で8戦8勝、中央で3戦2勝と未知の実力を残したまま引退した馬。
     注3:ドクタースパート……地方出身だったが、中央に転厩して皐月賞制覇をしている。
     注4:シーホーク……アイルランドで生産されフランスに所属となったのだが、現在で言うG�気鬘欧直〕�している。
     注5:ウイナーズサークル……シーホーク産駒のダービー馬だが、この後は泣かず飛ばず。
     注6:シャダイカグラ……リアルシャダイの代表産駒と言える牝馬。
     注7:ライトカラー……オークス制覇時の人気は10番人気と低評価だった。
     注8:バンブーメモリー……勝ち鞍は少ないがG�気錬仮,發靴討い襯泪ぅ蕁爾任△襦�