トロピカルサンデーが牝馬ながら京都記念に出走。
本来なら春の重賞路線まで休養させて、春はヴィクトリアマイルを目標に始動すると思われていたので、意外な出走だろう。
大阪杯辺りからの始動予定もあったが、仕上がりも良く父ジャングルポケット産駒の京都成績は良いという理由も。
少なくとも大阪杯で開催される阪神競馬場よりは相性が良いのは間違い無いだろう。
「久しぶりの騎乗でしたけど、ラストはグッと伸びましたし、しっかりと仕上がっていると思いますよ」
「ウオッカとの対決は桜花賞以来となるけど、勝算に関してはどうなの?」
「うーん……ウオッカは強いのは確かですけど、ここ最近は不安定ですから付け入る隙はあると思いますよ。ただ、トロピカルサンデーはそこまで弱く無いので、見くびられたくないですね」
佐祐理は競馬記者に囲まれている状況であり、そこそこと質問に応えている。
トロピカルサンデーの部分にはわざとらしく強調しているので、実績面では劣っていないという事を示す。
冬では馬体が絞りきれない馬も居るが、トロピカルサンデーは名前に反して、冬が苦手というわけでも無さそうだ。
美浦のWコースで1000万下クラスの同厩馬を強めで2馬身突き放して、ラスト1ハロンが12.9秒。
仕上がりにくい冬にしては破格のタイムで、G�鞠呂猟賣呂鮓�せ付けた格好だろう。
とはいえ、同期の牝馬――ウオッカも出走を決定しているので、2月にしては十分なメンバーが集まった。
鳴尾記念3着、京都金杯2着で去年のダービー3着のアドマイヤオーラ。
2年前の皐月賞2着、ダービー3着、菊花賞2着にジャパンカップ2着、有馬記念4着のドリームパスポート。
それと去年のダービー馬のウオッカが上位人気になっており、トロピカルサンデーは6番人気辺りと予想されている。
G�毅仮,箸呂い─▲Ε�ッカとダイワスカーレットが居ないオークスと低レベルのイタリアG�気覆里世�ら、この評価も仕方ない。
「やはり牡馬相手に勝利していないと人気にはならないですよ。初の牡馬戦となれば、評価を下げざるを得ないですね」
「この時期の牝馬路線はハンデ戦ばかりだし、僅かでも軽い方が負担にならないからね。ローテーションの選択も大変だよ」
佐祐理がコメントしている所を偶然トロピカルサンデーの調教師が横切っていたので、話に加わった形になった。
「京都牝馬ステークスにも出走プランはあったけどね。古馬初戦が58kgでは使う気は無いよ。それなら京都記念の方が55kgで済むからね」
牝馬で58kgは厳しく、ハンデ戦で斤量を問題視しないタイプでない結果を残す事は難しいのだから。
牡馬なら問題無いのだが、牝馬ではどうしても斤量で伸びなくなる事が多いので、トロピカルサンデーが京都記念に回ったのは正解だろう。
「ウオッカよりも1kg軽い状況なら、佐祐理の判断と同じく勝負になると思うよ」
「そうですか。ではコメントして記載しますね」
元は佐祐理が取材受けている最中だったので、調教師が横からコメントを入れれば、それは掲載されるのも当たり前。
元からそのつもりだったので、コメントを掲載される事を承認するために軽く頷く。
その後はこれといったコメント取りが無く、あっさりと記者達は解散して、別の場所へとコメント取りに向かって行った。
さて、京都記念にはトロピカルサンデーが出走するが3歳500万下にはオルタナティブが出走。
こちらの方は距離1600mの芝で、未勝利戦を勝利した時と同距離だが、前走が敗れているので4番人気となっていた。
とはいえ、500万下特別なので、そこそこメンバーが揃っている状況。
そして、結果の方は2着馬に鼻差凌いでの勝利であり、これで4戦2勝となり、OPクラスへ昇格となる。
1600mまでの距離だったら、安定した結果をここ4戦目まで見せ付けているので、OP戦でも活躍出来ると見込めるだろう。
一方、京都記念の方は6枠12番からのスタートとなったトロピカルサンデーはまずまずのスタートを切って、中団辺りからレースを進めていた。
佐祐理は馬場の中心から1頭分程の外に持ち出して、前方に居る10頭の位置取りから考え、ごちゃついている所よりも外に持ち出した方が良いと判断。
先頭を走っているシルクフェイマスがジンワリと逃げの体勢を取った為、ごちゃつく心配は無くなったが、徐々に1000mの通過タイムが遅くなる。
少しずつ進出させて向こう正面の半ば付近では、7番手辺りと射程圏内に収めており、ウオッカはそれよりも後方――11番手付近に居る。
おして、3コーナー付近から各馬が徐々に上がり始めて、最終コーナーでは手綱が扱かれて、レースが動いた。
トロピカルサンデーは外から徐々に進出させて、ドリームパスポートと競り合う格好で脚を伸ばす。
前には早めにシルクフェイマスを追いかけた馬がおり、このままでは垂れてくるのを見越して、佐祐理は一瞬でギリギリの範囲で外に持ち出す。
そこから再び脚を伸ばそうとするが、一瞬とはいえ外に持ち出した為、勢いが削がれてしまう。
そして、結果は4着と外に持ち出す事が無ければ、勝ち負けになっていた程の僅差で敗れたのであった。
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この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。