2月となり、徐々に春のG�祇鐇�に向けて、放牧に出されていた馬が各陣営に戻り始める頃である。
主にステップレースは3月から4月付近に集中するので、それまでにジックリと仕上げていく厩舎では、この時期が多い。
逆に大手の牧場ほど施設がしっかりと整っているので、そちらで数多く乗り込んでから、厩舎に送り込む場合もある。
最近ではそちらの制度――外厩の方が人気で、レース直後から厩舎ではなく、外厩に預けて体調を整わせる場合も。
各トレーニングセンターから1時間ほどの離れた場所にあるので、輸送面のデメリットも少なく、短期放牧を兼ねているのが強み。
資金力があってこそだが、Kanonファームでも新たな牧場を開設中で、なだらかな丘がどれだけの運動に繋がるかが鍵だろう。
だが、現状では距離600mで高低差+3mの坂路で出来るだけ鍛えていくしかなかった。
閑話休題。
今週の競馬にはきんもくせい特別を制したソニックブームがクロッカスSに出走。
そして、フォックステイルがG�靴療豕�新聞杯に出走する。
ソニックブームは距離が短縮されており、1700mから1400mとなっているのがどういう結果をもたらすかが不明。
デビュー戦から3戦とも中距離を使っていたので、忙しくなる1400mに対応出来るかで、今後のローテーションが変わる。
逆にフォックステイルは前走の愛知杯が2000mだったので伸びあぐねた所もあり、得意の1600m戦に戻す。
騎手も久しぶりに地方馬と共に遠征してきた沢渡真琴が騎乗する手はずとなっている。
NHKマイルカップ以来の騎乗なので9ヶ月振りの対面となり、どれだけ成長したかを確認する事になるだろう。
さて、ソニックブームが出走するクロッカスSは牡馬牝馬混合戦なので、ソニックブームが唯一の牝馬出走となっている。
そして、何よりも距離短縮が合わないと思われているのか、12頭中8番人気で、連勝中の実績が計算されていないのが明確。
他にも連勝中の馬は居るが、1頭のみで同じ様に未勝利から500万下を勝利しての出走。
そちらは2番人気となっており、1600m戦を連勝した事が評価されての人気だと分かる。
「やはり、中距離向けだと思われているようですね」
「どちらかというと馬体はスラリとした形だからな。忙しい競馬には向いていないしな」
それでもクロッカスステークスを使う理由は叩いて調子を上げるタイプなので、この後はフラワーカップ――芝1800m戦に向かう予定。
結果次第では桜花賞に向かう可能性もあるが、現状ではパスする公算が高いといわざるを得ない。
やはりというべきか結果は7着と、殆ど付いて行けずに垂れ下がった馬を交わすのみに終わった。
それでも押し通しでも垂れる事は無かったので、3歳牝馬としては十分なスタミナを有している事が判明した。
そして、同日に開催される東京新聞杯は重賞のため、それなりのメンバーが揃っている状況。
府中牝馬ステークスを勝利しているとはいえ、このメンバーの中では少し厳しい所もある。
去年の関屋記念を制しているカンパニーやエプソムカップを制したエイシンデピュティ、NHKマイルカップ3着のローレルゲレイロなどが居る。
フォックステイルもNHKマイルカップ4着の実績を持つが、現状の実績では差があるといえるだろう。
出走している牝馬の中では上位の人気だが、6番人気なので中途半端な所かもしれない。
「あうー……なんであたしが乗ると人気が無いのよぅ」
これまでに2度騎乗した事がある真琴だが、10番人気と7番人気で今回が6番人気なので、ぼやいてしまうのも無理がなかった。
それでも結果はそれぞれ1着と4着に持ってきているので、相性としては良好の筈だった。
結果は追い込んでの5着と掲示板には載ったのだが、レース後に骨折が判明し、種子骨骨折と軽度だったが復帰には秋以降になる見込み。
「レースに復帰させるのも良いが、今後の事を考えると繁殖に上がった方良いかもしれんな」
「もっとやれると思いますが、4歳牝馬で繁殖としての道もありますし、ここで引退させた方が良いでしょう」
母系は重賞馬を輩出しているので、血を繋ぐ意義があるのも確かであり、レース中に再び骨折する可能性もあるので無理をさせずに引退が決定した。
名雪と調教師の話し合いはあっさりと確定事項の様に決定し、フォックステイルは11戦4勝の成績で引退する。
今後は繁殖牝馬として仔を送り出すのが、課せられた仕事になった。
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この話で出た簡潔競馬用語
注1:カンパニー……この時点ではG�犠,舛呂覆ぁ�
注2:エイシンデピュティ……同年の宝塚記念を勝利。