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駆ける馬 2部 129話
第76回東京優駿の枠が確定となった。
選ばれた18頭は以下の通りとなり、後は騎手がレース判断を行い、当日の出来次第で結果を出すのみ。
天候やペースによってはガラリと、結果は変わるので、今の時点ではどうなるかは読みにくい所も。
1枠1番 ロジユニヴァース
1枠2番 ラストリグレット
2枠3番 アプレザンレープ
2枠4番 トップカミング
3枠5番 マッハヴェロシティ
3枠6番 ケイアイライジン
4枠7番 ナカヤマフェスタ
4枠8番 ブレイクランアウト
5枠9番 ジョーカプチーノ
5枠10番 アントニオバローズ
6枠11番 セイウンワンダー
6枠12番 リーチザクラウン
7枠13番 シェーンヴァルト
7枠14番 ゴールデンチケット
7枠15番 アーリーロブスト
8枠16番 トライアンフマーチ
8枠17番 アイアンルック
8枠18番 アンライバルド
極端な所では皐月賞馬のアンライバルドが大外枠の18番からのスタートで皐月賞1番人気ながら14着に敗れたロジユニヴァースが最内の1枠1番となっている。
現時点ではオッズは不明だが、皐月賞馬ということもあってアンライバルドが1番人気は確実だろう。
2番人気には離れてロジユニヴァースというのが大方の予想だが、3番人気から5番人気辺りはガラリと入れ替わるとの見解も。
リーチザクラウンとセイウンワンダー、そしてラストリグレットの3頭が上位2頭に対抗できる実力なので、差の無いのオッズになるだろう。
実績面もクラシック路線では結果を良く出すレースをそれぞれ制しているので、ロジユニヴァースとアンライバルドには劣らない。
「逃げが予想されているジョーカプチーノとリーチザクラウンがやや外寄りだから、最初はペースが早そうね」
「リーチザクラウンはともかく、ジョーカプチーノは距離が厳しいでしょうし、玉砕的な逃げになるのは明らかじゃないですか?」
「NHKマイルカップを逃げ切っているとはいえ、流石に同じような展開は何度も見られないでしょ」
ジョーカプチーノはNHKマイルカップで低人気――10番人気ながら、逃げ切り勝ちを収めているが、今回はマイルではなく、距離が800m延長されるダービーなのだから、厳しいという見解になる。
「アンライバルドはフサイチコンコルドが半兄とはいえ、大外が厳しいわね」
「上手く内に切り込まないと外々を回る羽目になりますからね、必然的に後方からのレースになりそうです」
香里と栞はそういって、各馬の枠順が記された用紙に個人的な印を打っていく。
既にジョーカプチーノは無印を決めたのか、馬名の部分に軽く縦線を引いている。
アンライバルドは大外枠とはいえ皐月賞馬なので、栞は注と記して、香里は△を記入。
リーチザクラウンに関しては前走の大敗による判断が難しいのか、2人とも印はまちまち。
香里は▲、栞は無記入とまったく別の評価となっており、前走の大敗が尾を引くと栞は判断したようだ。
これに関しては香里と栞の好みの差による違いといっても良いくらいの打ち方で、基本的に穴狙いが多い香里は前走の大敗に関しては目をつぶったと思われる。
「好きですねぇ、そういうタイプの逃げ馬」
「良いじゃない。こういう方が人気が落ちた時こそ美味しいだし」
香里はサラリと栞の冷やかしを交わしつつ、次の馬を見定め始めた。
栞はそれもそうですねと、言いたげながらも香里と同じように印を付ける馬を考え始める。
勿論、お互いに親友である名雪が生産したラストリグレットの評価は忘れずに行っており、贔屓目を差し引いても◎を打っていた。
これほどにも無いくらい力強く書かれた◎は、他馬に打った印よりも印象深く、勝利を確信しているほど。
「……やっぱり、贔屓しちゃうわね」
「別に競馬新聞の方に掲載用の印じゃないんですから、好きに打てば良いじゃないですか……それに浪漫の方が大事でしょうに」
「そうね、浪漫の方が大事だったわね」
元からラストリグレットに印を打つのは変わらないので、香里は自分の意思に従う事を決める。
因みに2人の○印はロジユニヴァースだったと記しておく。
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この話で出た簡潔競馬用語
特に無し。