ラストフローズンが中山記念を制した事で、11戦7勝と大崩れしない実力と実績を積み上げている。

     この後は6月の安田記念が目標となるが、約3ヶ月のレース間隔があるので、京王杯スプリングステークス辺りを使うプランも。

     ダート1200m戦を勝利した事はあるが、芝1400m戦は未出走なので未知の領域ともいえる。

     ラストフローズンはマイルから中距離前後がベストなので、距離短縮した場合、短距離馬特有のスピードに付いて行けるかが問題だろう。

     別の問題として、短距離を使った後に中距離に戻した場合、馬の行きたがる気性が出てしまうという可能性があり得る。

 

    「昔は京王杯スプリングステークスから安田記念は王道ローテーションでしたが、今では海外からの復帰で安田記念が多いですから、無理して使う必要はないですね」
    「基本的にこの時期は使うレースが少ないから、叩きとなるレースの選定が難しいのがネックだ」

 

     調教師が言うとおり、この時期にはドバイ遠征が多く、帰国初戦に安田記念というローテーションが基本になっている。

     ラストフローズンもドバイのドバイデューティーフリーに招待されていたが、辞退した経緯が。

     理由は単純に休み明け初戦が海外では今後のローテーションが組みにくくなる恐れがあり、下手すると安田記念にも間に合わない可能性も。

     元々、安田記念が春の目標だったので、ローテーションが動かしにくいのも理由の1つ。

 

    「そうなると、来月に開催されるマイラーズカップを使う手もありますね。宝塚記念も出走するなら春4戦となりますし、今後海外遠征も予定されるなら、無理に使う必要も無いと思います」
    「……現状では宝塚記念の出走は未定だが、ファン投票ではかなりの可能性で1位になりそうだから、その場合は出さない訳にもいかない」
    「そうですよね、やはり中山記念から安田記念の直行が1番良いかもしれません」

 

     ファン投票による結果で出走となる宝塚記念だが、近年はファン投票1位でも回避する陣営が多いので、ラストフローズンも回避しても問題無いが、ファン投票の観点からすると回避はしづらい状況。

 

    「……この後は安田記念で宝塚記念は出走の方向で」
    「分かりました。その方向で行きましょう。まずは2週間程の短期放牧で、入厩後は徐々に仕上げていきましょう」

 

     こうして、ラストフローズンの春に向けてのローテーションが決定となった。ただ、調教過程で骨折などが発症したら、全ては白紙になってしまうのだから慎重に尚且つ仕上げなければならない。

     安田記念まで約3ヶ月、ここからは如何に仕上げていくか調教師の腕前が問われる時である。

 

 

     さて、今週の競馬は未勝利戦を勝利したアヴァランチが500万下に出走し、バックドラフトがオープン特別の大阪城ステークスに出走。

     芝とダートの違いこそはあるが、どちらも1800m戦となっている。

     アヴァランチは未勝利勝ちのみなので、10頭中8番人気と評価されていない。

     バックドラフトは今年の1月に制したニューイヤーステークス以来の出走だが、1800m戦の成績が4着2回と馬券内にならないので、5番人気に留まっている。

     去年の関屋記念を制しているが、評価的にはオープンからG�轡�ラスまでと見受けられてしまったのか、重賞馬としては存在が薄い。

     これまで15戦7勝で掲示板外は一度も無い安定っぷりが、存在感の無さが押し上げているといった感じだろう。

 

    「アヴァランチは水瀬社長の希望通り1800mを使いますが、どれくらいやれるでしょうかね?」
    「……掲示板に載れば万々歳といった所だな。まさか、圧倒的1番人気の馬が出てくるとは思わなかったからな」
    「この後は成長を期待して夏辺りまで放牧で良いですね?」
    「もう少し幅が出ないとダート路線は厳しいだろうから、その方向で進めておく」

 

     そして、アヴァランチの500万下が発走時間となり、各馬がゲートに収まっていった。

     アヴァランチは出遅れてしまったが、騎手は無理に扱く事無く後方のままで砂を被らずに外目に出している。

     大外一気を狙う算段だろうが、前はややスローペース気味になっており、捲っていく必要がある為、現状の実力では厳しい。

     結果、後方のまま10着とシンガリで終わってしまった。

     午後になると本日のメインレースである大阪城ステークスの発走時間となり、重賞に比べると観客は少ないが、それでもゴール前には多くの観客が。

     バックドラフトは久しぶりの1800m戦となるので、まずまずのスタートを切ると騎手の判断で馬群の中団辺りに位置付ける。

     馬群に包まれる様な位置ではなく、外に出している状況なので囲まれる心配なく直線に入れるだろう。

     そして直線に向くと伸びるかと思ったが、ジリジリとしか伸びず、ゴール前で脚を伸ばして1着馬から3馬身離された3着だった。

 

 

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     この話で出た簡潔競馬用語

 

     特に無し。