深夜。

     周辺は既に寝静まっており、時折通る車とバイクの音がポツポツと聞こえるくらいである。

     ある一軒屋は2階の一角から電灯の光がカーテンの隙間から洩れており、住民がまだ起きているのが分かる。

     他の一軒屋でも光が洩れているところ所もあるので、ここだけが他の家とは違う訳ではない。

     だが、室内で何が起こっているかは誰も分からない。

 

    「んっ……」

 

     女性特有の色香がある喘ぎ声が室内から洩れてくる。

     女性は身をくねらせて、いつもは三つ編みにしている髪を解いていた。

     女性の名前は水瀬 秋子と言い、近所では有名な未亡人。

     何が有名かと言うと、特に若さであり17歳の娘がいるとは思えないほどの瑞々しい肌の持ち主。

     そして、いつも笑顔が似合う女性でもあるが、今は女の顔である。

 

    「秋子さん、固くなっていますよ」

 

     ギュッと秋子のある部分を握りながら、ボソッと秋子の耳元で呟く男性。

     その事を言われた秋子は耳を赤く染めて、恥ずかしそうに俯いてしまう。

 

    「い、言わないでください。祐一さん」

 

     秋子は反論しようとするが、祐一と呼ばれた男性が有無を言わせずにギュッ、と握るので秋子は喘ぎ声を洩らす。

     祐一は秋子をうつ伏せの格好でベッドの上に押し倒すと、きめ細かいノースリーブの白いパジャマのボタンを外す。

     女性らしくほっそりとした肩と白い肌を露出させて、祐一はゴクリと生唾を飲み込む。

     祐一はここまで来たら引けない状態であり、男の面子もあるので引くわけにはいかないのだろう。

 

    「ゆういちさぁん」

 

     秋子はいつもの穏やかな声ではなく、猫なで声のように甘える声を出して祐一を急かす。

     祐一は秋子の背中に少しだけ腰を浮かして、体重を掛けないように馬乗りをする。

     ギシギシ、とベッドのスプリングが小さな音を立てて軋むので、隣室で眠っている名雪に聞こえる恐れがある。

     が、そんな事はお構いせずに祐一は先ほどより激しく動く。

 

    「んっ……はぁ」

 

     気持ち良さそうな喘ぎ声を洩らす秋子。

     祐一は秋子のつぼを責め、重点的に同じ部分を狙うので秋子の喘ぎ声は留めなく洩れる。

     ふぁ、と秋子は色香のある喘ぎ声を洩らして、ぐったりと身体の力が抜けたようだ。

 

 

 

    「気持ち良かったでしょう?」
    「は、い」

 

     祐一は秋子の背中からゆっくりと降りて、秋子の身体をうつ伏せから仰向けにしてから手を引いて起こしてあげる。

     パジャマの一番上にあるボタンが外してあるので、ふくよかな胸が祐一の視線に飛び込んで来る。

     胸の谷間には僅かな汗が溜まっており、暑さで溜まったのかは分からないが祐一には目の毒である。

     秋子は気付いたので頬を赤らめてから、ボタンを閉めるが見られた事を意識してか、たどたどしい手付き。

 

    「……祐一さん、見ましたね?」

 

     胸を隠すようにしつつ頬を赤らめて、上目遣いでジッと祐一の顔を覗き込んで来る秋子。

     けれど、秋子の表情は大人の余裕があり、祐一は逆に追い詰められてしまったのか黙ってしまう。

 

    「ふふっ、勘弁してあげます」

 

     祐一が正座しながら縮こまっているので、秋子は微笑みがら小さく笑う。

 

    「その代わり……次回もお願いしますね」

 

     そして、秋子は報酬代わりとして唐突に祐一の頬に小さく口づけを交わす。

     おやすみなさい、と言ってから秋子は祐一の部屋から出て行く。

     暫く祐一は硬直していたが、未だに残る頬の暖かい感触を擦ってから、深夜にも関わらず絶叫をあげてしまう。

 

    「まさか、マッサージでキスが貰えるとは思わなかったぞ」

 

     今までのは全てマッサージであり、肩を強く揉んだ後指圧でギュッギュッと背中を押しただけである。

     秋子はくすぐりに弱いらしく、喘ぎ声が洩れていたのは気持ち良さとくすぐったさが合わさったのだろう。

     祐一は独り言を洩らしてから、先ほどまで秋子が寝そべっていたベッドに飛び込む。

     秋子に抱かれるように祐一はゆっくりと眠っていく。

     ただ、祐一は興奮してなかなか寝付けなく、逆に秋子は祐一のマッサージのおかげでぐっすりと眠れた事を記しておく。

 

 


 

     久しぶりの秋子さんSSで、ちょいエロ風味。