月の光がボンヤリと海原に幻想的に波に揺れながら道を作っていた。
―――うぉ、何しやがる相沢。
相沢君が火を着けたロケット花火は、北川君に向かって発射された。
―――ハッハッハッ、修行が足りないぞ北川。
ぼんやりと二人の行動を眺めているとすっ、と月明かりが影になり、あたしが見上げると名雪が佇んでいた。
「香里、楽しんでいる?」
あたしの表情はいつも通り、冷めておりそれが名雪には楽しんでいる様に見えなかったのだろう。
「ええ、楽しんでいるわよ。
あたしは左手に付けている腕時計に目を向けると発光塗料がぼんやりと光っており、時計の針は23時45分を指していた。
「わたしだって、こんな時は起きているよ〜」
しばらくも様々な会話が続きあたしは会話を楽しんだ。
「これが最後かもしれないわね。こうやって遊ぶの」
これはあたしの本音だ。
「えいっ」
あたしの体は浮遊感に包まれ、暗い海の中に突き落とされた。
「何するのよ。名雪!!」
やや声を張り上げ、名雪は怒鳴った。
「私達はそんな簡単にバラバラにはならないよ。
あたしが浅はかだったわけね。
「名雪、引き上げてくれない?」
その時あたしは引き上げて貰う感覚が無くなり名雪と共に又、海に落下した。
「相沢君、今何をしたのか教えてくれないかしら?」
相沢君の笑い声があたしの神経を逆撫でする。
「名雪、後でお仕置きしても良いかしら?」
あたしと共に浮かんでいる名雪は笑顔だが目が笑っていなかった。
「了承」
さて、逃げた方が良いわよ。
やはりこの4人は馬鹿やっているのがあうな。