ゴミを片付けて一息
「どうしたの、祐一?」
「ん、今度は祐姫かなぁと思うと、ね」
今日、学校に行くとある話を聞いた
────久瀬執強・川澄舞・倉田佐祐理・天野美汐が行方不明
美坂姉妹に続き、今度はこの三人がいなくなった
僕達の回りの人がいなくなっているので、職員室にも呼ばれた
久瀬のことは知っているけど、他は知らないので
「知りません」
と、言っておいた
その後、少し話をして職員室から出ると、名雪が入ってきた
僕達を見ると、ただニヤリと笑みを零して、通り過ぎた
あれは、僕達というより、
祐姫を見ていた
だから
「久瀬以外は、すべて名雪の仕業だね」
「ふ〜ん……」
「まぁ、それがどうしたって感じだけど……」
恐らく、次は祐姫を狙ってくるだろう
それだけは阻止しないと
「とりあえず、普通に学校へ行きましょ?」
「そうだね。……だったら、最後の学校になるのかな?」
「そうね。もう、いいわ」
僕たちは、もう疲れたんだよ
偽り続けることが、疲れたんだよ
「とりあえず、準備しましょ?」
「そうだね」
けど
神と云う者が存在するのであれば、
────僕ノ祐姫ダケハ助ケテクレマセンカ?
☆★☆
どうも、久瀬さんもいなくなったようだ
たぶんあの娘がやったに違いない
「……意外と、同類なのかも。私たち」
祐一を、っていうのも同じだし
もしかしたら、いいお友達になれたかもしれない
けど、ね
「祐一は渡せないよ……」
だって祐一は私のものなんだから
さて、あの娘はどう殺そうか……?
☆★☆
「美坂、どこ行ったんだろうな?」
「……好きだからって、探しに行くなよ?」
「そうですよ。警察の方々が探しているのですから」
「っ、んなことするかよっ。どこにいるか推測もつかないのにっ」
北川と祐姫を交えて、話をする
いなくなった人たちの話
大まかに分かってる俺は、適当に合わせる
「みんなー、気を付けて帰れよ」
石橋の声で、みんながみな散らばり帰る
「俺たちも帰るか」
「そうですね」
立ち上がり、祐姫と帰る
教室を出る時
「ふふふふふ……」
名雪の薄気味悪い笑い声が聞こえた
「どうするの、兄様?」
祐姫に訊ねられる
「何を?」
「名雪さんのこと」
「……あぁ」
特に考えてはなかった
祐姫に危害を加えるなら、別だけど
「どうする?」
「知らないです」
どうして欲しいんだろうか?
でも、結局は、だから
「香里さんたち、可愛そうですよね……」
同じことを思っていたのか、そう口に出した祐姫
「だな。けどな……」
「?」
「祐姫が狙われるんだ。だから、気を付けてな」
「……はい」
恐らく、俺は狙われないから
だから、俺が名雪を、殺そう──
☆★☆
笑いが隠せない
祐一が私だけを見てくれることがとても嬉しい
そう思うことが嬉しい
そして、
祐一に集う馬鹿な娘達を堕とす事が愉快!!
祐姫ちゃんは、どんな声で啼いてくれるのかな?
想い人以外に抱かれて、どういう風に悶えてくれるのかな?
祐一の目の前で、見知らない男に媚びてくれるかな……?