あの学校に来て、数週間

何事もなく、僕たちは過ごしてた

……いや、一つだけ

最近、祐姫と帰れなくなった

放課後、名雪が祐姫を誘ってどこかに行ってしまうから

いつの間にか仲良くなっていた先輩後輩を合わせて7人

けど、その中に、私はいなくて──

☆★☆

「祐一っ、百花屋行こっ」

時刻は放課後

名雪が俺の席に近づいてきた


──それが、ここ最近ずっと


それこそ毎日のようだった

住んでいる場所を教えたら、休日まで来るだろうと思う

……正直、堪らなく嫌で、堪らなく邪魔だった

けど、紛いなりにも従姉妹

しかも、記憶喪失と偽っているから

出来るだけ祐一がしそうなことをしなければならなかった

「香里も行くでしょ?」

「私は遠慮しとく。……やることもあるしね」

「そうなんだ…… 残念……」

名雪との会話の中、香里がこちらを、ちらりと見た

……遠慮したのは、気を遣ってくれたからのようだ

「なら、今日は栞ちゃんたちと行くよっ」

「……そう」

香里との会話が終わり、帰りの支度をしている名雪

その様子を伺いながら、香里がこちらへ歩いてきて

「はい、これ。栞の分」

俺の手に二千円ほど握らせてきた

「悪いだろ」

その金を返そうとするが

「妹の分は姉が払って当然でしょ?」

と言い切られた

「……悪いな」

仕方なしにその二千円をポケットに入れる

「祐一〜、早く〜」

教室に、名雪の間延びした声が響く

「あ、あぁ……」

一応返事をして、名雪の元へ歩く

その時

「兄様……」

そんな祐姫の口から漏れた声が、耳へと入る


──その声に、心が、軋んだ

☆★☆

「きゃっ!」

祐姫をソファへと押し倒した

そして唇を奪う

「「ん……」」

うっすらと艶を宿した瞳を見つつ、舌で唇を割り開いた

その僕の舌に、すぐ絡み付いてくる祐姫の舌

歯茎に這わせ、唾液を送る

祐姫の喉がこくんと鳴る度、嬉しくなる

僕の右手は、手に収まるほどの乳房の上にあって

ゆっくりと、捏ね始める

「ぁ……」

唇の間から漏れた声

それを気に、唇を離す

恥ずかしげに、けれど物足りないと乞うような瞳が、愛おしい

「あぁ……っ、祐一ぃ……」

「気持ちいい?」

「うん、気持ちいいのっ」

恥じらいもなく言う祐姫の、服を上にずらす

飾り気のない下着も、一緒に

すると形の良い乳房が現れて、そのまま口付けた

「んあっ、いいよ……気持ちいいよっ!」

右手は下から上へ、持ち上げるように捏ね、時折硬くなった乳首を摘む

口では、乳首を吸って、舐めて、噛んでと攻め続ける

そして、空いている左手を、すっと下腹部へ移動させる

スカートの下を通り抜けて、ショーツの上から恥丘を撫でる

「濡れてるね……」

そこはすでに濡れていた

たぶん、ソファが濡れてしまうほどに

「い、言わないで……」

「ふふっ」

指先の感覚で、縦筋を見つける

そこを、ただ優しく擦る

「やぁ……じ、じらさないでよ……っ」

そんな祐姫の言葉を無視して、擦り続ける

時には、少し強く押して、その柔らかさを楽しむ

「イけないよぉ……ひぅっ……イ、かせてよぉ……」

頭を横に振りながら、僕の指に擦りつけるように腰を動かす祐姫

心なしか、涙目だった

「……ごめんね」

口での愛撫を止めて、その流れる涙に唇を寄せる

「そろそろ、しよっか?」

「うん……」

面倒くさかったので、ショーツだけ脱がす

「持っててね?」

スカートが邪魔だったので、祐姫に持っていてもらう

目前に現れたのは、薄い恥毛に覆われているピンク色の秘裂

もう開いていて、ひくひくと蠢く唇の奥まで見える

そんな可愛らしい、上の唇とは違った場所へと、僕の肉棒の先をつけた

奥から溢れてきている、その愛液を蛍光灯で照るほどに塗って

「入れるよ」

そう言って、返事を待たずに──突き入れた

「んあぁぁっ!!」

一気に奥まで入った

そこから腰を動かし始める

ゆっくりとギリギリまで抜いて、力強く奥まで突く

次は小刻みに腰を振り、膣壁を擦る

そしてまたゆっくりと抜いていき、一気に貫く

それの繰り返し

祐姫の喘ぎ声が、部屋中に、頭に、響く

その喘ぎ声に、自分の息が重なっていく

だんだん、膣内のざわめきが激しくなってきた

膣壁が肉棒をぎゅっと締め付ける

「「あっ、あっ、ああぁぁぁぁ〜っ!!」」

祐姫の声と、完全に重なる

絶頂を迎えるのも同じで



──まるで、一人になったようだった

☆★☆

「ふふっ」

最近、二階から笑い声が聞こえる

名雪が笑っている、ということは分かっているけど


──不気味でしょうがない


それは、祐一さんたちが来た時からあった

今まで名雪が、『女』なんて言葉、使うことはなかったから

……何も起こらなければいいのだけれど