春の日差しがぽかぽかと暖かく、部屋を照らしておりわたしは居間に設置してあるコタツを名残惜しいが外す事にした。
     冬にはいつもフル稼働しているコタツは日向に干しておき、掃除を始める事にした。
     まずは一階から始めましょう。
     リビングと居間とわたしの部屋の埃を払って、隅々まで丁寧に掃除機を掛ける。
     うん、問題ありませんね。
     わたしは終わった部屋をチェックして一階は終わったので2階に掃除機を運びます。

 

     

 

      まずは名雪の部屋からね。
     がちゃ……ばたん。
     心なしかまた目覚まし時計増えています。
     30個近くはありますね。
     まったく、これだけ使っても起きれないなんて…甘やかし過ぎたかしら?
     これだけ目覚まし時計があると耳が難聴になりそうです。
     コチコチと絶えずになり続ける時計の音が喧しいですがさっさと掃除しましょう。
     一つ一つの時計の埃を落として、掃除機を掛けて終了。
     あら?
     机の方に目線がいくと木製のフォトスタンドが置かれていた。
     それは祐一さんとのツーショット写真が枠に収まっていた。
     その写真は名雪が祐一さんの腕を組んでいるのが目に付く。
     名雪……な、なんて羨ましい写真を撮るんですか。
     わたしですら腕組んでもらったこと無いのに。
     ……この写真は没収しましょう。
     今は掃除中なので終わったら没収しましょう。

 

     

 

     次は祐一さんの部屋ですね。
     あまり物は置かれておらず、シンプルな部屋となっています。
     祐一さんの匂いが部屋に残っており、わたしは思いっきり吸って恍惚になります。
     さて、早く掃除を終わらせてあれをしましょう。
     ベッドの下まで掃除機を掛けようとしますがコツンと何かがあたり気になったのでごそごそとベッドの下に手を突っ込んでみます。
     あらあら、祐一さんも男の子ですものね。
     えちぃDVD等が出てきましたが、分かるのは年上のが多いですね。
     名雪の年齢と同じ女性ネタのは無いようですし……
     もしかして、祐一さんは年上好みなんでしょうか?
     それならわたしでもチャンスはありますね。
     やっぱり、祐一さんは小娘名雪よりわたしのような淑女の方が良いと思いましょう。

 

     

 

      さて、掃除も終わった事だしあれをしましょう。
     ばふん……ゴロゴロゴロゴロ……
     はぁ……至福の時です。
     祐一さんが使っている枕に顔をうずめて、匂いを嗅ぐ。
     天国に昇って行く感覚がわたしの中に入ってくる。
     これはわたしの特権ですから誰にも渡しませんよ。
     何度もやっていますけど気持ち良いですね。
     ふぁ、眠くなってきましたね……このまま、寝ちゃいましょう。
     おやすみなさい。

 

     

 

    「ただいま」
     ん、誰か帰ってきた様ですね。
     でも気持ち良いのでもう少し寝ていましょう。
     がちゃ……ぱたん
    「何だ? 布団が膨らんでいる」
     え、ええっ、祐一さんが帰って来たんですか?!
     ばさっ
    「えっと、秋子さん? 何やっているんですか?」
     あ、あはは祐一さんの布団で寝てました。
    「寝起きの秋子さんは新鮮ですね」
     ぼんっ、と顔がなっていくのが自分でも分かります。
    「それにしても、まさかこんな美味しい展開になるとは……」
     え? 今なんて言いました?
    「名雪も帰って来ていない事だし」
     ちょ、ちょっと待ってください。
    「駄目ですよ」

 

     

 

      はぁ、さっきの数倍気持ち良かったです。
     もう蕩けそうです。
     やっぱり、祐一さんは小娘名雪よりわたしの方が良かったようですね。
     名雪はこの状況を見て、打ちひしがれており暫らくは目は覚まさないでしょう。
     さあ、名雪は無視して続きを始めましょうか祐一さん。

 

     外では干していたコタツが夕日で影を伸ばしていた。

 


 

     これ、微エロかもしれない。
     でもシーンが無いから大丈夫だろう