テレビのとあるCMを見てあたしは思いついた。突然も突然。


「……これ、やったことない!」


 丁度そのCMに出てきたブツは買いだめしてある。よしっ。思いついたら吉日って言うしねっ。

 さってと。驚く顔……可愛い顔……面白い顔……いっぱい見れそうで楽しみねー。





おねーさん 2






「ねぇねぇ!」

「わっ。ノックもなしに入ってくるなよ!てか、いつ俺ん家来たんだ姉さん!?」

「ついさっき」

「平然と答えるなよっ。……まぁ、良いけどさ。何か用があってきたんだよな?」


 あたしを睨む目はつまんねーことだったら承知しねぇぞって目だ。

 うん、楽しいから許してくれるよ。きっと。たぶん。おそらく。


「これ持ってきたんだ」

「……ポッ○ー?」

「そ、○ッキー!」


 じゃーん!と腰のポケットから出す。

 あ、やりたいことわかったのかな?すごく嫌そうな顔してきた。

 でもやめない。やりたいもん。


「ね、反対から一緒に食べて――――」

「嫌だ!」

「最後まで言わせてよー」

「そんな恥ずかしいことできるかっ!」


 顔を真っ赤にして怒る。もちろん照れ隠しだってことはわかってる。

 あたしだって恥ずかしい。でも、恋人と一度はやってみたいと思うよね?


「ね……あたしとやるのがそんなに嫌、なの?」

「うっ……」

 秘儀、上目使い。これを使って効いてくれなかったお願いはない。最終奥義なのだ。

 ○ッキーを一本咥えながら、迫る。体の上にのっかかるような感じで。


「わ、わかったよ!やるよ、姉さん!」


 仕方なしって感じに折れた。


「んっ」


 早く反対側食え、と咥えたまま前にちょっと出す。

 彼は顔を真っ赤にしながらも、反対側を咥えた。

 ぽきっ、ぽきっ、ぽきっ。

 顔がだんだん迫ってきた。なんか、今更ドキドキしてきたよ……。キスはしょっちゅうしてるのに。

 あ、目の前。

 顔真っ赤だ。あはは。でもあたしも真っ赤だと思う。

 心臓はどきどきと自分でも感じれるほど鼓動は早い。

 ぽきっ。

 あと一口で、唇が触れるところまできた。

 彼は何故か硬直している。

 仕方ないなぁ。ここはお姉さんのあたしがリードしてあげますかっ。

 ぽきっ……ちゅ。

 そのまま数秒、キスをして離れた。


「あ、ははぁ……。思ってたよりも緊張するんだね……。というか恥ずかしいねこれ」

「何を今更……はぁ、すごく恥ずかしかったけど……甘い、ね」

「うん。すごく甘かったね」


 チョコ味と唇の感触が、残っている。あ、まだどきどきしてる。

 でも、悪くない。

 むしろ癖になりそうな味。こーゆうキスもたまには良いよね?


「ね、もう一回――――」

「もうやらないぞ!」


 断固拒否反応。

 もう、こんな綺麗なお姉さんとできるなんて幸せなのに。














 あの後結局○ッキーがなくなるまでやっちゃった。

 その後二人ともどきどきが――――興奮が止まらなくて。

 えっと、うん。家に誰もいなくて良かった。



「今度は違うお菓子持ってくるね」

「……ふぅ。何でも持ってきなよ、姉さん」


 呆れ気味だけど、どこか楽しそうな顔で彼はそう言った。

 次は何でやろうかな?















おしまい。


あとがき

 うん、憧れますよね(何。

 次があるとしたら次は頑張ります……。


 2006/1/5 つきみ




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